2009年度から信州大学に赴任しました。
新入生のみなさんはもちろん、上級生の方々も「イトウってだれ?」と思われることでしょう。
専門は、中世英語・中世北欧語文献学。
なにそれ? と思うでしょう。
ある研究者に言わせると「文献学」の精髄とは
「方言や非標準な言語形態や、関連する言語も含めた、ある言語あるいは複数の言語の歴史的形態変遷の研究」 (Tom Shippey, J. R. R. Tolkien: Author of the Century, xii)・・・だそうで。
僕の個人的な勉強になにか意味をつけるとしたら、↓のようなことになるかな。
英語や北欧語の歴史を研究し、その言語で書かれた文献を読むことで、言語的変遷や人文学的文化の変遷をあとづけすることが目的。人類の、今は失われた叡智を取り戻す作業だ。
と言えば聞こえがいいが、その作業のなかに、言語学、写本学、写字体学、歴史学、民俗学などが関係してくるため、専門が何か、私の研究室の中に入ってもよくわからないと思う人が多い。
英語の専門課程を卒業、修了したのに、学生たちには英語だけ勉強するのではないぞ、と主張している。
教えている教科は: 英語史、英語学文献購読、英語学特別演習:実際にやっていることは、英語文献学という立場から、「英語学」また「英文学」を斬ろうとしている。
口癖 「ありとあらゆる具体的な証拠を持ってこなければだめですよ」