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はやさか としひろ

早坂 俊廣

哲学・思想論 教授

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中国関係

杭州便りその2

街角散策

 郵便局に行こうと思っていたところに、友人からショートメールが入り、1時間後に近所の交差点で待ち合わせることになりました。中途半端な時間なので、散歩して過ごすことにしました。  まず15年前に(妻が)よく通っていた「市場」が二つ現存しているのを発見しました。当時2歳だった息子が「鳥さんだあ」と喜んでいたところです。いたいけない子供に「鳥さん」の運命を知らさないために、慌てて押しとどめたことを懐かしく思い出しました。  それと、浙江大学にも支店が入っている「暁風書屋」の本店を見つけました。杭州では、知る人ぞ知る有名書店のようですが、15年前にはその存在すら知りませんでした(少なくとも、この場所には無かったはずです)。入ってみると、文化の香りがプンプンして、非常に幸せな気分になりました。

「約園」発見!

 暁風書屋から、そろそろ郵便局に行こうとしたところ、体育場路と弥陀寺路の交差点で気になる石碑を発見しました。読んでみると、なんと張寿鏞の約園でした。石碑の一部を引用します。  「約園は、近代の著名な教育家・藏書家である張寿鏞の旧居である。・・・約園は主人の蔵書楼でもある。  張寿鏞(1876-1945)、字は伯頌あるいは咏霓、号は約園、浙江鄞県の人。辛亥革命後、浙江・湖北・江蘇・山東等の省の財政庁長を歴任し、1927年10月に財政部次長に着任した。1926年に上海光華大学を創立し、校長に推挙された。」  ここには記されていませんが、彼は、郷土(「鄞県」は今の寧波市)の先賢たちの文集等を集めた「四明叢書」の編纂者でもあるのです(「四明」も今の寧波の別名)。およそ寧波の歴史・文化を知ろうとする者であれば必ず手にするこの叢書の編纂には、この藏書楼「約園」の存在を抜きには考えられないでしょう。

 現在は、明らかに民家ですが、遠慮無く写真を撮らせてもらいました。「散歩はしてみるもんだねえ」と悦に入りながら、郵便局に向かいました。ただ、一つ釈然としなかったのは、「約園は上海にあったのではなかったのか?」という点です。この点をネットで調べてみたところ、「杭州網」に記事がありました。2005年8月15日のその記事には、民家として活用されている「約園」が誰にもその存在を知られず崩壊寸前であること、「約園」というのは統一名称であって寧波・上海にもあったこと、寧波・上海の「約園」が現存しない今、杭州の「約園」は非常に貴重な存在であり、まもなく修繕されること、等が記されていました。  「とりあえず、あれでも修繕された後だったんだ」と驚くとともに、何とか「記念館」でもできないものかと思いました。ただ、民家として使われている以上、難しいのかも知れません。何にせよ、「約園」については、今後も調査を続けたいと思います。

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