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2025/04/17

信州大学×アルピコホールディングス株式会社 令和6年度「アントレプレナー実践ゼミ 事業報告提案会」を開催

皆さん、こんにちは。信州大学ローカル・イノベーター養成コース5期生の伊藤詩奈です。

本記事では、2025年2月21日(金)に開催された「アントレプレナー実践ゼミ 事業提案報告会」についてご紹介します。

(写真:報告会後、アルピコグループの皆さんも交えた集合写真)

アントレプレナー実践ゼミでは、2022年度に信州大学と包括連携協定を締結したアルピコグループと連携し、新たな価値を創造する起業家(アントレプレナー)の育成を目的に、学びの機会を提供しています。本年度は、eスポーツ、インバウンド、ドローンの3つの領域をテーマに、学生たちが市場調査やフィールドワークを行い、新規事業や事業部の提案に取り組んできました。

(写真:11月におこなわれた、ドローンアカデミーでのフィールドワークの様子)

毎回の講義やフィールドワークを経て得た学びの集大成として、2月21日にアルピコプラザビル6階 アルピコドローンアカデミーを会場に、事業提案報告会を開催いたしました。

当日は、アルピコグループの経営陣の皆さまにもご参加いただき、スーツ姿の学生たちは緊張した面持ちを見せながらも、堂々とプレゼンテーションに臨みました。

開会の挨拶と評価基準の説明が終わり、いよいよ4チームによるプレゼンが始まります。

最初のプレゼンは、「e-sports add new value ~e-can~」です。

(写真:堂々とプレゼンをするチーム「eアルプス」の3名)

チーム「eアルプス」の3名は、「キャンプ × eスポーツ」という、一見対極にある要素を融合させた提案をおこないました。コロナ禍後のアウトドア市場の需要変動が見られる中で、急成長するeスポーツ市場との融合を図ることで、若年層の人気を取り込み、新規顧客の獲得を目指す企画です。

このプレゼンに対し、アルピコリゾート&ライフ株式会社 代表取締役常務 鶴川様からは、「究極のインドアと究極のアウトドアを掛け合わせるという、社内にはない発想。私たちでは想像もつかない提案をいただいた」と、着眼点を高く評価いただきました。

また、「蓼科の認知度向上にも貢献できる可能性があり、レイクリゾート構想とも掛け合わせて発展できると感じた」とのコメントもいただきました。

2つ目のプレゼンは、インバウンドチームによる、「Journey Through Time in Nagano ~東南アジア富裕層向け宿場町歴史巡り~」です。

(写真:発表タイトルを説明する学生たち)

2名が注目したのは、宿場町とすごろく旅です。

松本城や善光寺といった定番の観光地ではなく、宿場町の歴史的資源とすごろくゲームの要素を融合させ、「まだ見ぬ長野」を発見する新たなインバウンド観光を提案しました。

このアイデアについて、アルピコ長野トラベル株式会社 代表取締役社長 洞様は、「観光事業にはアウトバウンドとインバウンドがある中で、インバウンドをどう発展させていくかが課題」と今後の方針を示し、「さいころのゲーム性を取り入れた点や、日本に住んでいると見落としがちな環境そのものに焦点を当てたことが素晴らしい」とコメント。さらに、「季節ごとに異なる楽しみ方ができる点も魅力的」と、高い評価をいただきました。

3つ目の発表は、増加する獣害被害に悩まされる農家を救う、「ドローンを使って新たな農業を」です。

(写真:鳥獣害対策の必要性を説明する学生たち)

「近年、測量や農薬散布といったドローン活用が進む中、獣害対策にもドローンを活用できるのではないか?」

この着眼点からリサーチを進め、動物の生態に詳しい教授や農家へのヒアリング結果を交え、具体的で実効性のある企画プレゼンを披露しました。

これに対し、アルピコ交通株式会社 代表取締役社長 小林様は、「ドローンで本当に効果があるのか、研究成果が出ているのかなど、非常に関心を持った。4月から本格的にドローン事業に取り組むので、ぜひ参考にしたい」と前向きなコメントをいただきました。

続いて、私たち学生メンターチームからも事業提案をさせていただきました。

プレゼンタイトルは「ドローン事業2.0」です。

(写真:プレゼンするメンターチーム)

ドローンの活用に向けては、免許取得のハードルや航空法の規制による担い手不足と、活用先が限られていることが大きな課題となっています。 これを解決すべく、アルピコドローンアカデミーと受講生、さらにはアルピコグループ内の事業現場を連携させるフレームワークを提案しました。

アルピコグループ内でのドローン活用例として、「デリシアのネットスーパーでのドローン活用」について紹介したところ、株式会社デリシア 代表取締役社長の萩原様から、「長野県は配送が難しい地域が多く、災害時の活用も検討している」と前向きなご意見をいただきました。さらに、「部分的な活用ではなく、全体の仕組みを考えた点が素晴らしい」とプレゼン全体に対する評価もいただきました。

学生メンターチームの3名は、一昨年度から本ゼミに関わってまいりました。

これまでの経験や学びを還元できる、価値あるプレゼンとなっていれば幸いです。

4チームの発表後、役員の皆さまから、プレゼンで良かった点だけでなく、「もっとこうしたら」という具体的なアドバイスまでご指摘いただき、和やかな雰囲気の中でも学生たちは真剣にメモを取る様子が見受けられました。

(写真:アルピコグループのみなさまと交流する学生)

報告会の締めくくりとして、アルピコホールディングス株式会社の代表取締役社長、佐藤様より総評をいただきました。

佐藤様は、「アルピコグループとして積極的に参入していくつもりのテーマに特化してプレゼンテーションをしてもらい、非常に刺激を受けた」とコメントしてくださいました。さらに、「新しい世代の力を存分に活かした部署も考えている。皆さんにはアルピコで働いてほしい。就職活動をする際にはぜひ」と、熱いラブコールをいただきました。

(写真:学生に向けて総評をくださる佐藤社長)

3年目となったアルピコグループとの連携ゼミも、皆さまのご協力と、学生の熱量のある取り組みによって無事にゴールを迎えました。また、初年度の提案が実際の商品化に至るなど、地域の新たな魅力を生み出していることも、このゼミの大きな成果の一つです。

本ゼミ卒業生の今後の活躍にも、ぜひご期待ください!

文責:

信州大学人文学部

文化情報論・社会学コース4年

ローカル・イノベーター養成コース5期生

アントレプレナー実践ゼゼミメンター 伊藤詩奈