News

お知らせ

授業の紹介

2023/04/04

地域ブランド実践ゼミ事業提案報告会レポート

皆さん、こんにちは。

信州大学ローカル・イノベーター養成コース5期生の、伊藤詩奈です。

本記事では、2023年2月17日金曜日に開催された「地域ブランド実践ゼミ事業提案報告会」についてご紹介します。

(写真:報告会後、アルピコグループの皆さんも交えた集合写真)

「地域ブランド実践ゼミ」は、地域ブランド創出に関わる消費者心理や、企業・行政経営に関する知識を獲得しながら、自治体・企業活動の現場での実践を通じて経験知を獲得することを狙いとしています。

2022年度は、2022年7月に信州大学と包括連携協定を結んだアルピコグループ様と連携しました。

(2022年度は、アルピコグループ様と連携して実施をいたしました(2022年7月に包括連携協定を締結)。)

この半年間、ゼミ生が取り組んできたテーマは、「松本エリアを中心としたウインターシーズンの観光活性化」です。

ゼミ中盤からは「インバウンド」「ノーマイカー」「学び」「若者」という4つのテーマごとにチームを作り、信州のブランド力向上に繋がる取り組みを考案してきました。

普段の生活の中で意識するテーマもあれば、自分とのつながりが全くないようにも思えるテーマもあり、それぞれのチームごとにワークの進み具合に大きな差が出ていたことが印象的でした。



また、毎回の講義には、社会人メンターとして、アルピコグループのそれぞれの部門より社員のお三方がお越しくださいました。

学生にプランを構築する上でのヒントや、実際に現場でお客様と関わる中で感じられていることを教えていただいたり、アルピコグループ様が関わっていらっしゃる、さまざまな施設への見学の機会をご提供していただいたり、各チームの考える事業内容の充実に向け、多大なるサポートをしていただきました。

普段の大学生活の中で、社会人と関わる事がほとんどない学生たちにとって、メンターの皆さまとの協働は貴重な経験であり、とても良い刺激となっていたと感じています。



2月17日(金)に、アルピコグループ様の施設である「ホテルブエナビスタ」の会場をお借りし、事業提案報告会を盛大に開催することが出来ました。

会場にはアルピコホールディングス株式会社の佐藤社長をはじめとした多くのアルピコグループ経営陣の皆さまや、報道陣の方々にお越しいただき、学生の間にも普段とは違う緊張感が走ります。

(写真:会場の様子)

会場へお越しくださった方や、オンライン配信をご覧くださっていた方に向けて、本ゼミの概要が説明され、いよいよ学生の事業提案プレゼンが始まります。

ご参加の皆さまには、「熱中度」「着眼点」「実現性」「将来性」という、4つの視点から評価をいただきました。

最初のプレゼンは、学びチームによる、「キャンバスアート ~地域に彩りを~」です。

(写真:堂々とプレゼンをする学びチームの3名)

学びチームの3人が提案したのは、「バス×学び×美大生」の要素で、松本エリアの活性化を目指すプランです。

松本市で運行しているタウンスニーカーのように、車外をカラフルにするラッピングバスではなく、美大生のデザインで車内を賑やかに彩り、バスへの興味や乗車中の楽しさ向上を目指します。

「ただの移動手段であるバスそのものに、このような切り口で興味を持たせるという視点がまさに目からウロコだった」とのコメントをいただく、トップバッターの役目を立派に果たす素晴らしいプレゼンでした。



2つ目のプレゼンは、ノーマイカーチームによる、アルピコバス松本・高山線の利用促進を目的とした「そのバス私たちに乗らせてください」です。

(写真:ノーマイカーチームに向けてコメントする今村様と、チームの3名)

3名が注目したのは、松本と高山・上高地を結んでいるバス路線です。

信大生を対象に独自に集計したアンケートを元に、路線の認知度や、サービスとニーズのズレを示し、新たな学割プランを提案しました。

アルピコ交通株式会社取締役で、信州大学OBでもある今村様より、「自分が学生だった時に、こんなプランがあったら良かった。」と素敵なコメントをいただきました。



その後、インバウンドチーム、若者チーム「SHIN-WANTER」のプレゼンが続き、私たちメンターチームからも事業提案をさせていただきました。

プレゼンタイトルは「オーダーメイド・セイジンシキ」です。

ホテルブエナビスタで実際におこなわれているホテルウエディングから着想を得て、「『冠婚葬祭よりはライトに、成人式よりは温かく』、家族で20歳のお祝いをしよう」というプランです。

(写真:プレゼンするメンターチーム)

私は本ゼミを前年度受講しており、メンターとして1年生をサポートする事に加え、1年間の経験や成長を試したいという気持ちを持って、今回の報告会に挑みました。

アルピコホテルズ株式会社・専務取締役ホテルブエナビスタ総支配人の重山様より「さすが先輩、という意地を感じました。このプランは、ぜひ今後やらせて欲しい」とのお言葉をいただき、胸がいっぱいになりました。

受講生の皆さんや先生方、そしてご覧いただいた皆さまに、たった1年でもこれだけ成長できるということが示せていれば嬉しいです。

報告会の最後には、アルピコホールディングス株式会社 代表取締役社長の佐藤様より、総評をいただきました。

「全チームが5点満点!」という嬉しいお言葉や、「ゼミを通して得たスキルは社会でも通用する」という激励をいただきました。

また、ご参列いただいたアルピコグループ経営陣の皆さまに向けて、「学生たちの提案をぜひとも活かしていくように」とお言葉をかけられていました。

本ゼミに対して多大なるご協力をいただき、半年間、常にゼミ生に伴走してくださったことをあらためて実感しました。

(写真:学生に向けて総評をくださる佐藤社長)

今回の事業提案報告会では、アルピコグループ様より「最優秀賞」を、そして今回の報告会にご出席いただいたJR東日本様より「JR賞」をご用意いただきました。



JR賞を受賞したのは、インバウンドチームが提案した「松本城主になろう」です。

訪日外国人観光客向けの松本城公園でのグランピング体験に、松本城に関連した歴史体験を盛り込む思い切った提案と、沢山練習を重ねた丁寧なプレゼンがJR東日本様から高い評価を受けました。

(写真:JR東日本 須田様と、JR賞を受賞したインバウンドチームの3名)



そして、栄えある最優秀賞を受賞したのは、若者チーム「SHIN-WANTER」です!

信大生の県外出身率の高さを逆手に取り、学生ひとりひとりが地元の友人を招くことで、大量の若者観光客の創出に繋がると考えました。

また、必修授業やアルピコグループの研修連携といった、今後の発展性も含んだ提案となりました。

「SNSマーケティングが主流となった現代において、『信大生が地元の友達を呼んで観光する』というアナログなテーマに驚いた。最も身近なターゲットを捉えていて素晴らしい。」とコメントいただきました。

たくさんミーティングをしたり、街に出てヒアリングを実践してプランを作ってきたSHIN-WANTERの皆さんには、「ホテルブエナビスタの宿泊券」が贈呈されました。

(写真:佐藤様と、最優秀賞を受賞した若者チーム「SHIN-WANTER」の4名)



改めて、2チームの皆さん、受賞おめでとうございます!

本授業は、信州大学全学横断特別教育プログラムの『スタートアップ科目』に認定されています。

本年度の地域ブランド実践ゼミは幕を閉じますが、ローカル・イノベーター養成コース、ストラテジーデザイン人材養成コースに所属する本ゼミ卒業生は、今後の記事で皆さんにお会いするかもしれません。

彼らの活躍に、ぜひご期待ください!





文責:

信州大学人文学部2年文化情報論分野 ローカル・イノベーター養成コース5期生

地域ブランド実践ゼミメンター 伊藤詩奈