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授業の紹介

2022/03/11

課題解決実践ゼミ事業提案報告会

皆さん、こんにちは。信州大学ローカルイノベーター養成コース・岸野です。

本ゼミは、東日本旅客鉄道株式会社長野支社様(以下、JR東日本長野支社)と連携し、長野県の観光課題の解決に取り組みます。3月1日(火)に、本ゼミの成果発表である、事業提案報告会をオンライン・対面のハイブリット形式で実施しました。

ゼミ生は6チームに分かれ、これまでの議論や実施した実証実験の結果のもと、アイデアを磨いてきました。6チームの事業報告の内容や経緯をレポートします。

松本観光にワクワクを! 謎解きdeウォーキング~謎に導かれた先には〜

チーム:あるくま(´ ^)

旅で訪れた観光施設の成り立ちや詳細を知ることが少ないと考えた「チームあるくま」は、「謎解きdeウォーキング~謎に導かれた先には〜」というイベントを信大回廊と連携し、開催しました。このイベントは、観光施設に設置された謎を解きながらその施設情報を知り、松本の街歩きを楽しむ企画です。「チームあるくま」は、JRが主催する駅からハイキングに謎解きを加えることで、観光地を楽しみながら深く知ることができると考えます。松本の観光施設と行った謎解きイベント開催、本当にお疲れ様でした!

(写真:JP(日本郵便)賞※を受賞した「チームあるくま」)

※アワードには、日本郵便株式会社様にもご協力をいただきました。






~長野市の信大生と浅間温泉をQRが繋ぐ~

チーム:I2RS情報難民を救う会

松本には魅力的な浅間温泉という観光地があります。しかし、実際に訪れたことがある信州大学生は少ないです。そこで「チームI2RS(アイツーアールエス)」は、そのような学生をターゲットに、QRコードを活用した観光情報の伝え方に着目しました。同チームは、QRコードの見せ方を工夫したポスターについて実証実験を行い、その読み取り結果の紹介がありました。また、JR長野支社に対する事業提案として、フラッシュプリント(スマホのフラッシュ撮影により特定の意匠が現れる印刷技術)を活用したポスターを新たなシカケとして提案しました。工夫を凝らしたQRコードのついたポスターで、魅力的な観光情報が多くの人に広がるといいですね!

QR コード

自動的に生成された説明QR コード

中程度の精度で自動的に生成された説明

(写真:「チーム:I2RS」が作成したポスター

左はQRコードを目立たせる、右はポスターを見た人をQRコードの読み取りに誘導させる意図がある)

「旅」を「学生」に~生協発、信州魅力旅~

チーム:旅学生

「チーム旅学生」は、金銭面での制約で、信州旅行に興味があっても行くことができない信州大学生が多いのではないかと考えました。そこで「チーム旅学生」は、松本ー長野間の往復がお得になる信州往復切符に着目しました。この切符を大学生協で購入可能であると知り、大学生協と連携し、信州の旅行に関する書籍の販売促進と学生の県内旅行を促す特設ブースを生協購買店に設置しました。大学生協の存在が、学生を対象とする観光推進のカギになるのではないかという提案でした。身近な生協から学生の鉄道旅が浸透するといいですね!



店の上に置かれている部屋

低い精度で自動的に生成された説明

(写真:「チーム:旅学生」が信州大学生協で行った企画展示)

"松本図鑑"で描き出す~移住から観光 観光から移住へ~

チーム:Diversity

「チームDiversity」は、地方都市への移住者が増えれば、町に活気が生まれ観光客が増えるのではないかと考えます。そのための第一歩として、まずは松本への愛着、興味、関心が重要と考える「チーム:Diversity」は、「松本図鑑」というパネルを松本駅構内のJR EAST Welcome Center MASTUMOTOに設置しました。松本図鑑とは、松本駅利用者に"松本暮らしあるある"を書いてもらうことで、松本の魅力を再発見してもらうというシカケです。コロナ禍で対面が難しいなか、駅で生まれる交流が、Welcome Centerの活性化にもつながりそうです!

(写真:JR EAST Welcome Center MASTUMOTOに設置された「松本図鑑」)

~光で導く駅までの旅~

チーム:Matchさんぽ

旅の帰り道、電車を乗り損ねて駅で長時間待つことになる。そんな自分たちのフィールドワークの体験から、普段、行きばかりが着目されている旅の帰りに着目したのが、チーム「Matchさんぽ」です。Spot Tourというアプリを利用し、電車出発までの時間を逆算して楽しむための"駅まで"ハイキングコースを提案しました。ハイキングコースとしては珍しい夜のツアーを企画し、ライトアップされた松本城から松本駅までの街灯に灯された夜の街を楽しむことのできるツアーが完成しました。Spot Tourの機能を最大限活かし、時間を気にせずに観光が楽しめたり、ツアーをコンプリートするとスタンプに灯りが灯るシカケも考えました。Spot Tourのスポットに選定した施設への連絡、イベント周知のPRなど、企画を計画的に進めたチームワークが際立っていました!

(写真:JR賞を受賞したチームMatchさんぽ」)

(写真:「チームMatchさんぽ」が作成したオリジナルスタンプ。コースを周るとスタンプが獲得できる)

車窓de地学プロジェクト~流れる景色を「驚き!」に変える~ 

チーム:乗って楽しくリゾビュー盛り上げ隊

臨時快速列車リゾートビュー諏訪湖の車窓からは、山々や湖など起伏が多い地学的に特徴のある信州の風景が楽しめます。「チーム:リゾビュー盛り上げ隊」は、信州大学・大塚特任教授や安曇野市潮沢ロマンの会代表・宝嘉吉様、富士見町商工観光係様と連携し、親子づれの乗客が地学という新しい視点で車窓を学び、楽しむことのできるリーフレット「車窓de地学」を作成しました。今後は景色を3Dマッピングで表示してはどうか?という新たな車窓の価値付けの提案もありました。何気なく眺めている車窓からの自然風景の成り立ちがわかると、「もっと知ってみたい!」という思いが喚起されます。

(写真:「チーム:リゾビュー盛り上げ隊」が作成したリーフレット「車窓de地学」より一部抜粋)

課題解決実践ゼミは、全チームがアイデアを実際にカタチにすることに挑戦します。このゼミでの経験を活かし、様々なフィールドでの課題解決に期待します。



本ゼミにご協力いただいた、JR東日本長野支社の皆様をはじめ、たくさんの方々のサポートに感謝申し上げます。

(文責:信州大学人文学部2年社会学分野 ローカル・イノベーター養成コース4期生 岸野奏)