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授業の紹介

2019/07/12

7/5(金)「地域活性化システム論」

第12回 地域活性化システム論(20190705)

夏の雲になりました、長野県松本市。こんにちは、浅川です。

今回も、授業主担当の林靖人先生が教鞭を執りました。
前回は「ミカタを変える」というテーマでしたが、今回は「シカケを考える」というテーマ。

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かる~く前回のおさらいをします。人間の認知には、これまでの経験によるバイアスがかかって、目で見ているものと頭で理解していることに乖離が生じます。

それを「ミカタの歪み」と表現します。それに気づき、ミカタを変えてみるというのが前回の内容でしたが、今回は、それに加えて、シカケを考える。つまり、システム(仕組み)について考えてみる講義でした。

物事を見るには「マクロの視点」と「ミクロの視点」の両方を使うことが重要です。
具体的に、日本の人口動向を例に挙げます。


【マクロ視点】
明治維新以降に、爆発的に増加してきた日本の人口が、2004年をピークに減少し、2100年には明治維新以前の数値まで減少することが予想されています。これって、現在の人口が異常で、減少によって日本の適正人口に戻っているように思えますよね。
それでは、人口減少は課題ではないのか。
【ミクロ視点】
群馬県南牧村では住民の3人に2人が高齢者です。そして人口が減少し続けています。これを聞くと、南牧村は近い将来、消滅してしまうのではないか、とも思えます。
【マクロ&ミクロ】
(あくまで僕の見解ですが)日本全体としての人口減少は問題ではない。しかし、地方に生産年齢人口がいないことは問題であると考えられます。

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マクロ・ミクロの両視点で見ること。これも一つの「ミカタを変える」ことだと考えられますが、それがなかなかできませんよね。
「ミカタを変える」ことに対しての阻害要因はいくつか考えられます。
・積み重ねてきた知識や経験によるステレオタイプ
・集団的・社会的圧力
・物理的・時間的距離感 などなど。

その阻害要因を壊して、「ミカタを変える」ためには、「シカケ・シクミを考える」必要があります。
しかけは、「ついついしたくなる」、「無理やりではなく、普段の行動を変えたくなる」ようなメカニズムです。
しくみは、しかけより対応範囲が広く、さらに複数の仕掛けを含んだりもします。

実際の身近なしかけの例を挙げると、
松本駅の階段に描かれた消費カロリーの数字。普段、階段を上らずにエレベーターを使う人も、階段を使ってみたくなりますよね。

それによって、健康のためになったり、エレベーターの混雑を防ぐことができたりします。

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次に、効果的なしかけ・しくみをつくるには。
身近な事例「黒部ダムカレー」を紹介します。
カレーってなかなかヒットしません。なぜなら、どこにでもあるから。

それを地域のヒット商品にするためには、消費者の「ミカタを変える」、そのために「シカケを考える」、ことが必要です。
この事例では、黒部ダム×大町市というテーマで、信大生がしかけを考えました。
・商品のコンセプト、販売戦略の立案
・学内イベント
・ポスター作成
など、全てのしかけを信大生が作りました。その過程では、人の認知の仕組みを知り、それに基づいたしかけを作りました。

だからこそ、「黒部ダムカレー」プロジェクトは成功を収めました。

皆さんもそれぞれのフィールドで、「ミカタ」と「シカケ」について考えてみてはいかがでしょうか。
僕もいろいろな地域、コミュニティに「シカケ」を作っていきます。


それでは、また来週お楽しみに!
(文責:浅川雄介 信州大学経法学部2年、ローカルイノベーター養成コース2期生)