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授業の紹介
2019/07/01
6/21(金)「地域活性化システム論」
第10回 地域活性化システム論(20190621)
梅雨入りした松本からこんにちは!浅川です。
今回は全4回の「特別講師・大島正幸コーディネート授業」の最終回!
講師は満を持して、株式会社「ようび」代表の大島さんご本人の登場です。
大島さんは、大学で建築学を学んだ後、岐阜の家具職人への修行をはじめました。その後、岡山県の西粟倉村に移住し、2008年に株式会社ようびを創業。現在では、ようび代表をはじめ、様々な企業や行政組織の経営、コンサルティングを行っています。
さらに、信州大学ローカル・イノベーター養成コース特別講師も兼任されています。
講義では、RPG形式のワークを行いました。
RPG(ロールプレイングゲーム)というと、「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」などをイメージすると思います。それらのゲームのR(ロール)は「剣士」「魔法使い」などなど。ですが、今回は「アントレプレナー(起業家、事業家)」です。
学生ではなく、アントレプレナーとして、課題に直面した時、どんな選択をするのか。それを考えるワークショップです。
ルールは簡単。大島さんが自身の経歴を話しながら、直面してきた課題を紹介します。学生は2人一組になって、10秒で課題に対する行動の選択と、20秒で、パートナーへの意見の共有をします。「えっ、短くない??」って思いますよね。20秒だからこそ、意見と、その理由しか言えない。つまり、アントレプレナーにとって禁句である、言い訳ができないのです!
それでは、いくつか実際の課題を紹介しましょう。皆さんも、自分だったらどう行動するか、考えてみてください。
【No.1】「家具を作るための、場所や設備、技術がない。どうする?」
現状:
家具を作る設備が西粟倉村にはありません。しかし、村から物件を借りることができます。その建物は、550平米の大きさですが、手入れがなされておらず、電気も通っていません。使うには、掃除をすることと、1000箇所以上のコンセントを点検して直す必要があります。さらに家具を作る設備投資には400万円ほどかかります。そして、村の森林の多くを占めるヒノキは家具には適していないとされ、誰も製品化した人はいません。
所持品:
285,000円、ハイエース
スキル:
家具作り(ナラなど)の技術
【No.2】「注文が多すぎる。働き手がたりない。どうする?」
現状:
ヒノキの家具作りが成功し、顧客が増えました。たくさんの注文が来ています。従業員を雇いたいですが、お金がないので、賃金を払えなくても家具を作ってくれる職人が必要です。さらに、ヒノキの家具加工という、未知の領域に挑戦してくれる人でないと、仕事をこなせません。
所持品:
お金(設備投資に使ったため、あまりない)、ハイエース
スキル:
家具作り(ナラなど)の技術
家具作り(ヒノキ)の技術
【No.3】「社屋が全焼しました。どうする?」
現状:
従業員が増えて、製品も世界的な評価を受けるようになってきたある日、社屋が全焼しました。社屋の全焼による被害は約8,000万円、新たな社屋を再建するには2億円、債権の期間の社員の賃金などを含めた費用は毎月330万円かかります。社員は社屋の再建に全力を尽くすため、費用は全て自分一人で稼ぐしかありません。
所持品:
お金、ハイエース
日本中、世界中の顧客、協力者
スキル:
家具作り(ナラなど)の技術
家具作り(ヒノキ)の技術
いかがだったでしょうか。どのような行動の選択をしましたか?
講義では計8回ほど選択を迫られましたが、学生は、何とか自分の言葉で行動を決め、共有しました。
大島さんの選択はここでは紹介しませんが、全ての選択に共通していることが1つあります。
それが「挑戦し続けたこと」です。
上述の3つの課題は全て、活動の存続が危ぶまれるものです。しかし大島さんは、挑戦し続ける選択をしました。
「チャンスの神様に後ろ髪はない」。
失敗だと思って、諦めて、チャンスを逃すか、成功までの過程だと思って、挑戦を続け、チャンスをつかむか。
学生の皆さん、この記事を読んでくださっている皆様、挑戦し続けましょう。
くるぶしが地面に埋まるほど努力しましょう。
いつか、講師の方々のパートナーとして協働できるまで。
大島さん。4回にわたり、情熱を持ったフルスイングの授業をありがとうございました!
それでは、また来週お楽しみに!
(文責:浅川雄介 信州大学経法学部2年、ローカルイノベーター養成コース2期生)