文部科学省 地域イノベーション・エコシステム形成プログラム
革新的無機結晶材料の産業実装による信州型地域イノベーション・エコシステム

事業概要 革新的無機結晶材料の産業実装による信州型地域イノベーション・エコシステム

▼概要

信州大学がもつ無機結晶育成技術「フラックス法(=目的結晶の原料と溶媒(フラックス)を混合加熱して溶液とした後、冷却して再結晶させる方法)」で創成した革新的無機結晶材料(とその関連材料)を用いて、浄水デバイス、生体適合デバイス、リチウムイオン二次電池など、多分野で活躍する画期的な商品・システムを生み出します。
信州の伝統的な精密機械工業や先進的な健康・医療など、地域の強みを活かし、水・医療・エネルギー分野を中心に、ハイインパクトな産業を創出するエコシステムを確立します。


事業概要


▼業務内容

「革新的無機結晶材料技術の産業実装による信州型地域イノベーション・エコシステム(本事業)」では、コア技術「フラックス法」で作製した結晶材料の事業化を目指します。フラックス法を用いることで、針状、薄板状あるいはバルク状など目的に応じた形の結晶を育成することができ、様々なデバイス・製品に求められる性能を格段に向上できます。この無機結晶材料を多くの産業分野(環境・医療・自動車・エネルギー等)に展開することを目指し、3 つの事業化プロジェクトを推進します。信州大学と長野県の密な連携により、地域企業へのフラックス法の展開や地域の新事業創出を加速するとともに、信州から多くの事業化成功事例を生み出すための仕組みづくりを目指します。


▼推進体制

推進体制


▼成果・目標

「フラックス法」により性能を高めた浄水用重金属吸着材料、生体適合性材料、リチウムイオン二次電池材料等を産業界のパートナーとともに事業展開し、新材料の商用化を推進します。

事業化プロジェクト1「重金属吸着剤を用いた浄水器の商用化」
人体に有害な重金属(鉛、カドミウムなど)を吸着除去する重金属吸着結晶を浄水器などに搭載し、飲料水・生活用水・排水から重金属を除去し、安全な水を提供します。飲料水用水源に様々な有害物質が含まれ、安全な水が得られない地域(アフリカ等)への展開も進めます。

事業化プロジェクト2「高機能・高耐久型人工関節・脊椎椎体スペーサの開発」
人工関節など骨に埋め込むデバイスの表面に、骨の構成成分に近い材料をフラックス法でコーティングすることによって、埋め込んだデバイスと骨との接着性を向上させます。長期使用可能な人工関節など、患者さんの負担が少なくなる医療機器開発を目指します。

事業化プロジェクト3「リチウムイオン二次電池材料の開発・商用化」
電池に使う様々な材料をフラックス法で作製することにより、短時間で充電でき、長期使用可能で、小型・高容量・安全なリチウムイオン二次電池を実現します。これらの結晶材料等を活用した電池を電気自動車等へ搭載することを目指し、将来の超低炭素社会の実現を支えます。


▼事業期間

平成29年8月~平成34年3月(予定)


▼問い合わせ先

信州大学 学術研究・産学官連携推進機構 学術研究支援本部
地域イノベーション・エコシステム形成プログラム担当
〒390-8621 長野県松本市旭 3-1-1
信州地域技術メディカル展開センター(CSMIT)1F
TEL 0263-37-2073/FAX 0263-37-3425
E-MAIL su-localecosystem(at)shinshu-u.ac.jp