プロジェクト概要
- 信州大学から成果を発信し、中山間地域の再生に資する
- 日本の国土の2/3を占め、農業生産の4割を担うといわれる「中山間地域」。
2,000~3,000メートル級の山岳が連なる列島であることから、至極当たり前の数値であるともいえる。このことは、中山間地域が我が国にとって決して無視することのできない存在であることを意味する。近年、中山間地域に対する一般のイメージは、過疎化・高齢化、あるいは限界集落という言葉に代表されるようにすこぶる暗く、事実、多くの問題がそこには存在する。
しかし、中山間地域はただそれだけの地域なのであろうか? 世界を震撼させたリーマン・ショックは、都市部に多大な影響を及ばした。しかし、中山間地域では目に見えるような変化は認められず、まさに「盤石」というこれまでのイメージと全く異なる力の存在を知らされた。中山間地域の再生・持続を探る本研究プロジェクトは、いわゆる弱者救済ではなく、中山間地域が持つ潜在的な強さをいかに発揮させることができるのかという視点が大事と考える。また、中山間地域は地域ごとに異なる特性を持つ。換言すれば「個性的」なのであり、再生・持続のための一律の対応ではすぐに限界に達するであろう。
本研究プロジェクトでは様々な研究分野からアプローチし、伝統的個別技術の評価および新規技術の開発とこれら技術の総合化を進め、5つのコアサイトにおける再生・持続モデルの構築を目標としている。さらにはその成果を、我が国さらには世界の中山間地域へと発信していきたいと考えている。
中山間地域問題を解決するための視点
- 現状:個別に問題に対応
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- さまざまな問題が同時多発的に発生している。
- それぞれの問題が相互に連鎖しあい悪循環構造を生んでいる。
- 中山間地域プロジェクト:システマティックな総合対策
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- 分野のカベを越えた技術の総合化。
- 地域特性を踏まえたシステマティックな対応。
再生・持続モデル構築への3つの研究ステップ
大学と地域が一体となり、3つの研究ステップを踏むことによって、中山間地域の再生・持続モデルの構築を目指します。
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既存技術の評価と新規技術の開発
個別対応によって研究分野内において細分化された既存技術の再評価と、必要とされる新規技術の開発を行い、分野内における技術の再構築を行います。
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分野間の技術総合化と実証的研究
分野内の技術の再構築をベースに、分野をまたがったさらなる技術の総合化を行い、検証的研究コアサイトを進めます。
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中山間地域における技術の総合化と再生・持続モデルの構築
実証的研究の成果として中山間地域の再生・持続モデルの構築を行い、国内外の中山間地域へ発信して行きます。