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2024.9.6、Royal Institute of Technology(KTH,Sweden)と、National Institute of Aerospace ,NASA Langley Research Center(USA)からお招きした研究者による「航空機の空力に関する特別講演会」を開催しました
2024年9月6日(金)、2人の研究者による「航空機の空力に関する特別講演会」(ホスト教員;松原雅春教授 SURCAS航空機システム部門長 工学部機械システム工学科)を開催しました。
まず最初に、圧縮性流体における境界層遷移の専門家で、スーパーコンピュータを駆使した航空機翼面上の流れの数値計算で数多くの研究をされているArdeshir Hanifi(アルデッシル・ハニフィ)博士(KTH、スウェーデン)から、「Boundary-layer stability and transition in the presence of free-stream turbulence」と題して講演いただきました。主流乱れによる遷移過程(壁面上には粘性によって速度が遅いせん断層である境界層がある。境界層が乱流へと遷移する要因として主流乱れが挙げられる。主流乱れは境界層が発達する物体の前縁から受容し境界層で成長して崩壊して遷移する。)の数値計算の結果を解説いただきました。
続いて、境界層遷移(BLT)予測と飛行速度領域にわたる境界層遷移の制御のための物理学に基づく技術コンセプトや高速流れのBLT解析のための先進的な多次元安定解析法を研究開発されているPedro Paredes(ペドロ・パレデス)博士(米国航空宇宙研究所(NIA)、NASAラングレー研究センター)から、「Boundary-layer instabilities over hypersonic configurations with flow separation」と題して講演いただきました。二次元/軸対称極超音速構成における境界層遷移につながるモード擾乱の線形増幅は、鈍い前縁またはノーズチップの存在によって強く低減されます。講演では、鈍い円錐上の極超音速流れにおける擾乱の受容性と線形および非線形増幅について、直接数値シミュレーションと線形および非線形不安定性解析の結果を報告いただきました。
なかなか聴講する機会のない、興味深い研究分野の2つの講演に、約30名の学生諸君とSURCASの教員が熱心に聴き入りました。