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Per Henrik Alfredsson(Royal Institute of Technology(KTH、スウェーデン))による特別講演会を開催

航空機システム部門 人材育成

2022年10月4日、王立工科大学(スウェーデン)のPer Henrik Alfredsson による「流体工学に関する特別講演会(ホスト教員;松原 雅春 教授(SURCAS航空機システム部門長、工学部機械システム工学科)」を開催しました。同氏は、流体工学について実験的アプローチを中心に研究しており、特に乱流制御やその工学的応用についての多くの実績を残されている研究者です。
講演は、Fundamental and applied fluid research in the Fluid Physics Laboratory at KTH Royal Institute of Technology, Sweden.と題して、約50年前に乱流の研究に主眼をおいて発足したKTH の流体物理学研究室が、長年にわたって、MTL風洞、回転平面クーエット流、回転ディスクとコーン流の設備、ショックチューブ、繊維懸濁液の混相流実験室、人体によく見られる複雑な流体(血液など)、複雑な表面上の流れなど、基礎研究のための数多くの独自の実験施設を構築し、さらに、風力発電機の後流、内燃機関のシリンダー内流れ、ターボチャージャーの流れにおける脈動の影響、トラックの抵抗低減のためのプラズマアクチュエータなど、多くの応用施設やプロジェクトを開発してきたことをはじめ、現在進行中の基礎的及び応用的な最近のプロジェクトについて紹介いただきました。
非常に興味深い研究分野の、なかなか聴くことのできない貴重な講演に、学生諸君、教職員は熱心に聴き入りました。
以下、学生諸君の感想です。

M1生;今回の講演ではKTHの学校紹介に始まり、流体分野の基礎的な研究から応用的なものまで様々な研究紹介を聴き、流体力学の幅広さと奥深さを感じました。流体力学には実験と数値計算の二つがありますが、今回紹介にあった実験的研究はまさにKTHが長年培われてきた実験的ノウハウの賜物だと思います。これまで渡航経験がなく、海外について若干の抵抗がある私でしたが今回の講演を聴き、まだまだ知るべきことが沢山あると感じるとともに、海外について興味を持つきっかけとなりました。また、研究紹介で特に印象に残っているものはプラズマアクチュエータによる流れの制御の研究です。風洞に模型を入れ、取り付けている点、20m/sという速い流速でも行い、アングルも変えながら実験を行っていた点など興味深い点がいくつもあり、今行っている研究に関連する部分もあるため、今後の研究の参考にしていきたいと思いました。

B4生;今回のヘンリック先生の講演は、インタラクティブで心地よいものでした。わかりやすい英語で、KTHについて、また好奇心を刺激される研究を紹介していただきました。その中の一つについての質問を拙い英語でさせていただき、非常に初歩的な質問であったにも関わらず、ヘンリック先生は的確に答えてくださり、ありがたかったです。どの研究も、研究者たちができる限り考えを巡らせたのだろうなと慮ることができ、自分も目の前の研究を地道に進めていこうという気持ちを強められました。講演を楽しめた要因の一つとして、センスのあるジョークが交えられていたことが挙げられるので、自分も発表する時には、ジョークを交えられるくらい自信をもって発表できるように研究に向き合おうと思います。