令和7(2025)年度支援
研修先:シンガポール 実施部局:医学部保健学科 研修期間:2025年8月9日~8月18日 10(日間) 参加者数:16(人)
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夏期海外研修保健医療スタディツアープログラム (シンガポール)
◆主な研修先
SingHealth(Singapore General Hospital(SGH) 等)、Singapore Institute of Technology(SIT)
◆プログラムの概要
学部間交流協定を基盤として、保健学科学生がシンガポールの保健・医療現場、教育施設を見学・体験することにより、将来国際保健・医療を担うことのイメージを広げることを目的としたプログラムです(学科共通専門科目「海外研修ゼミナール」の受講者を対象)。ネイティブ教員による英会話レッスン等の事前学習を経て、研修を実施し、帰国後は事後学習として研修の振り返りを踏まえた報告会や成果報告書の作成を行いました。また、12月のSIT学生の受け入れ準備や交流に主体的に関わりました。
◆成果
シンガポール最大の医療機関グループSingHealthの中核施設のSGHで拠点集約型の高度医療を全員で見学後、専攻ごとに、SGH内の各部門やSingHealth内外の施設を訪問しました。特に今年度は、地域医療を支える施設の訪問において、日本の閉鎖的な病棟とは異なる「開放的な病棟構造」を目の当たりにし、視認性による安全確保と患者間の交流促進の両立という独自の設計思想を学びました。これらを通じ、アジア先進国の保健医療施策や課題について理解を深めました。
SITでは、2024年9月に移転・集約されたプンゴル新キャンパスを訪問しました。最新のバーチャル解剖装置や画像診断端末が完備された教育環境に触れ、デジタル技術を活用した効果的な学習形態を学びました。現地の学生とは、ランチやイベントを通じて交流し、前年度に本学を訪れた学生さんとの再会を果たしました。さらに同時期に研修に訪れていた香港や台湾の学生とも交流する機会に恵まれました。
事前学習の英会話レッスンは、現地での積極的なコミュニケーションを支える自信に繋がりました。病院スタッフや他国の学生との対話、SITでのディスカッション等の実践を通じて、言語の壁を越えて「伝えようとする姿勢」の大切さを学び、研修後の語学力測定でもスコア向上が確認できました。
また、現地の食事や交通機関の利用など未知の事柄(例:ドリアンを食べる、現地のバスに乗るなど)に自ら挑む中で「まずトライしてみる」という自信を培いました。海外で働くことへの関心や将来の選択肢が広がるなど、学習・行動面でのモチベーションが大きく向上する成果が得られました。
【学生の声①】
シンガポール研修は、多民族・多文化社会における医療や生活文化を体感し、異なる価値観に触れることで自身の視野を大きく広げる機会となりました。病院見学では、患者の声を積極的に医療に反映させる仕組みや、開放的な病棟に象徴される人とのつながりを重視する文化、資格にとらわれず地域と患者をつなぐ人材の存在などを学び、医療が社会や文化と深く結びついていることを実感しました。また、食堂に並ぶハラールやベジタリアン対応食からも、多様性を尊重する姿勢が日常の中に根づいていることを知り、日本の医療との違いを強く意識することができました。さらに、Singapore Institute of Technologyの学生との交流では、彼らのオープンマインドな姿勢に触れ、言語や文化の壁を超えて理解し合えた体験が大きな喜びとなりました。英語力への反省もありましたが、伝えようとする努力が通じた経験は自信につながり、今後の学習意欲を高める契機となりました。今回の研修を通じ、医療は国の文化や社会制度に根ざしており、相手の背景に寄り添う姿勢が不可欠であることを学びました。この経験は、国際的な視野を持ち、多様性を尊重できる医療人として成長するための大きな一歩となりました。
【学生の声②】
シンガポール研修は、アジア最先端の地で多民族・多文化社会における医療の実際を体感し、視野を大きく広げる貴重な機会となりました。当初の目的であった医療制度や技術に加え、患者一人ひとりの背景に寄り添う現場の姿勢を深く学ぶことができました。SingHealth Community Hospitalでは、薬の処方にとどまらず社会的要因に介入し、地域資源と医療をつなぐソーシャル・プリスクライビングを理解しました。Academiaでは災害や緊急時を想定した実践的教育環境を見学し、Outram Community Hospitalでは日常生活を模したリハビリ設備や多職種連携会議に触れ、実践的かつ協働的な医療の在り方を実感しました。街の風景からは、多民族が自然に共生し互いを尊重する姿勢が伝わり、医療現場でも多言語対応が徹底され、国際性と効率性の高さを感じました。病室は開放的で、看護師が迅速に動ける環境が整備されており、日本との違いを知ることができました。制度面では、自己貯蓄と保険を組み合わせた「メディセーブ」や「メディシールド・ライフ」が、個人責任と社会保障の両立を図るモデルとして参考になりました。さらに、研修に参加していた台湾のChang Gung大学の学生との交流を通じ、自国制度への理解を深める必要性も痛感しました。これらの経験から、医療と社会制度が文化や歴史と密接に結びつくことを理解し、多様性に柔軟に対応できる医療人としての成長につながりました。今回の研修を支えてくださった全ての方に深く感謝いたします。

