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国際的な視点をもった環境マインド人材育成のためのマレーシア演習プログラム

令和7(2025)年度支援
研修先:マレーシア 実施部局:全学教育センター 研修期間:2026年2月12日~2月16日 5(日間) 参加者数:21(人)

本プログラムは、全学横断特別教育プログラム「環境マインド実践人材養成コース」に参加している2年生を対象とし、国際的な環境課題に向き合う力を養成することを目的として実施しています。訪問先であるマレーシア・サラワク州の州都クチンは、世界有数の生物多様性を誇る熱帯雨林を有する一方で、熱帯材やパーム油、化石燃料の輸出などによって経済的な急成長を遂げてきました。しかし近年では、「カーボンニュートラル」や「生物多様性保全」に関する政策が重視されるようになり、社会が大きく変化しています。参加学生は、それぞれの興味・関心に応じて「エネルギー政策」「パーム油産業」「エコツーリズム」「野生動植物保護」「国立公園運営」の5班に分かれ、約4か月をかけて訪問先が抱える環境課題について事前調査を行いました。その後、1週間の実地調査では、事前調査を通して浮かび上がった疑問点や関心事を中心に、ヒアリング調査などを実施しました。帰国後には、事前調査および実地調査で得た情報を整理し、自身の生活と現地の環境・社会問題とのつながりについて考察したうえで、報告会を行いました。

実地調査(演習旅行)は、2月11日から17日にかけて実施しました。CHITOSE Carbon Capture Center(化石燃料の代替として期待される藻類培養施設)、先住民であるビダユ族の方が経営するアブラヤシ園、マングローブ林を活用したエコツーリズム、セメンゴ野生動物センター、バコ国立公園、アナライズ村などを訪問しました。今回のプログラムの中でも、特に教育効果が高かったものとして、アブラヤシ園訪問が挙げられます。近年、アブラヤシ産業はさまざまな批判の対象となっていますが、生産者の方々のお話を伺うことで、問題はアブラヤシ生産そのものだけではなく、消費者側の認識や認証制度の普及にも課題があるという気づきを得ることができました。渡航後に実施した報告会は、今年度から総合人間科学系の教員や1年生にも公開し、各班が渡航前後における認識の変化も含めながら、完成度の高い発表を行うことができました。
以上の点から、今年度も本プログラムの達成目標として掲げていた「①訪問先が抱える環境課題を主体的に調査し、日本とのつながりや違いを具体例を交えて説明できる。」「②環境問題に関する国際的な潮流を理解し、自身の興味や専門分野と結びつけて説明できる。」の2点については、概ね達成できたと考えています。最後に、渡航した21名が、海外での経験を通して互いに心を通わせ、強い信頼関係を築くことができたことは、本プログラムにおける最も大きな成果の一つであったといえます。プログラム終了後も、このつながりを大切にしながら、環境マインドをさらに深め、実践へと発展させていくことが期待されます。

【学生の声①】
日本とマレーシアでは大切にしているものが共通していたり、異なっていたりと様々で、個人においてもいろいろな考えの人がいることが分かりました。特に印象的だったのは、環境問題に対する関心の違いです。これまで私は、環境に興味を持っている人や環境について活動している人との対話が中心であったため、環境問題は多くの人が強く意識しているものだと考えていました。しかし、実際に現地で多くの人と関わる中で、環境に対する関心の度合いは人それぞれであり、必ずしも全ての人が高い関心を持っているわけではないことに改めて気づきました。
この経験から、環境問題を考える上では、自分と同じ考えを前提にするのではなく、多様な価値観があることを前提にして取り組むことが大切だと感じました。環境問題を解決するうえではこのような環境に興味の少ない人も取り込む必要があると思うので、そのような立場からも物事を見られる視点を持ちたいと思います。

【学生の声②】
このプログラム全体を通して私が最も強く学んだことは、持続可能な社会の実現は決して一国だけで完結するものではなく、国境を越えた協働の中で前進し得るということです。訪問先での体験や現地の方々との交流を通して、同じ環境問題という課題に向き合っている場合でも、社会的背景や文化的価値観、利用可能な資源条件の違いによって、様々なアプローチが存在することを強く実感しました。こうした違いは多角的な視点をもたらす重要な資源であるとも考えられます。異なる立場や条件を持つ主体が互いの強みを持ち寄ることで、新たな解決策が生まれる可能性があるという点に、国際協働の大きな意義があると感じました。実際に、今回の研修では自然環境の保全に関する取り組みから、藻類バイオ産業のような新たな技術的挑戦まで、様々な事例を通して、環境問題への多様なアプローチを学ぶことができました。

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