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児童生徒の創造的思考力を育む クリエイティブ・ラーニングの米国視察研修

令和6(2024)年度支援
研修先:アメリカ 実施部局:教育学部 研修期間:2024年9月30日~10月4日 5日間(日間) 参加者数:5(人)

 今回のプログラムでは、カリフォルニア州立大学サクラメント校と現地小学校を訪問し、米国におけるSTEAM教育の実践とクリエイティブ・ラーニングの取り組みについて学びました。 

 サクラメント校では、STEAM教育に関する講義に参加し、現地の教育者や研究者との意見交換を通じて、最新の教育理論と実践方法を学ぶ貴重な機会を得ました。これにより、アメリカの教育現場で進められている創造的な学びのプロセスについて理解を深めることができました。さらに、サクラメント市内の小学校を訪問し、子どもたちが科学やアートを取り入れた教育プログラムに積極的に参加している様子を観察しました。この訪問により、実際の教育現場でSTEAM教育がどのように実践され、子どもたちの創造力や問題解決能力を育む環境がどのように整えられているかを直接見ることができました。現地の教師たちとの対話を通じて、アメリカと日本の教育方法の違いや、それぞれの強みを活かした教育の可能性についても考える機会となりました。サクラメント校では、STEAM教育に関する最先端の研究や取り組みが行われており、参加者は、そこで学んだ知識を日本の教育現場にどのように応用できるかについて深く考察しました。また、現地の小学校での観察と現場の教育者との対話を通じて、創造的思考力を育むための授業や指導法についても多くの学びを得ることができました。

 本プログラムの成果として、参加者は、米国の教育現場で実践されているクリエイティブ・ラーニングの重要性を再確認し、日本におけるSTEAM教育の必要性を強く認識しました。特に、子どもたちが主体的に学ぶ姿勢や、教育者がそれを支える役割についての理解が深まり、今後の教育実践においても、これらの要素を取り入れていくことが期待されます。このように、カリフォルニア州立大学サクラメント校と現地小学校での学びは、参加者にとって非常に有意義なものであり、今後の教育活動に多くの示唆を与えるものでした。今回得た知識や経験をもとに、日本の教育現場でより創造的で柔軟な学びを提供するための取り組みを進めていく決意を新たにしました。

【学生の声①】
 今回のアメリカ研修を通じて、視野が大きく広がり、さまざまなことに興味を抱くきっかけを得ました。
 まず、現地の小学校の授業見学では、日本の教育との大きな違いを目の当たりにしました。 教師たちが協力し、ゆとりをもって教育に取り組む姿や、自由な席配置、少人数でのびのびと学べるクラスの様子は非常に印象的でした。こうした子ども中心の教育環境は日本が目指すべき姿の一つであり、社会状況が異なる中でも参考にすべき点は多いと感じました。
 次に、大学見学では、広大なキャンパスと、様々なバックグラウンドを持つ学生たちが自由に学んでいる姿に圧倒され、自分がいかに狭い環境で過ごしてきたかを痛感しました。このような多様な環境に身を置き、積極的に人と関わりながら学びたいという気持ちがより一層強くなりました。
 また、学校見学など様々な体験を通して、英語に自信がなくても、積極的にコミュニケーションを取ろうとすることの大切さを学びました。 積極的に英語で質問したり、会話に参加したりすることで、異文化交流がより円滑に進むことを実感しました。
 アメリカが多民族国家であることから、多様なルーツを持つ人々が集まっていることも強く感じました。 学校の教員や学生も非常にさまざまで、その違いを自然に受け入れながら共に学び働く様子は日本ではあまり見られないためとても新鮮に感じました。
 今回の研修が多くの方々の協力によって実現したことに心から感謝し得られた学びや気づきを今後に活かしていきたいと考えています。今後より多くの場所を見て視野を広げていきたいです。

【学生の声②】
 今回の研修で特に印象的で自分にとって価値のあるものだったと感じているのが現地の小学校と大学への訪問・参観です。小学校では様々な学年のクラスの授業を参観したり同じ施設内にあるプレスクールの子どもたちと交流したりしました。その際に気になったこと等を質問できる機会も設けていただき同じ教育を追究する立場としてそれぞれが感じたことを英語で意見交換する場面もありました。授業を参観する中でアプローチや子どもと教師の関係学習環境など今まで経験してきた日本での教育との違いが見られそれを実際に自分の目で確かめられたことを嬉しく思うとともに自身が興味をもつ比較教育学という研究分野での参考にもなりました。
 2日目に訪れた信州大学と提携のある現地の大学ではキャンパスツアーとプラネタリウムを体験しました。広大で自然豊かなキャンパス内に足を踏み入れるとそこにはいきいきとした学生の姿がありそれぞれの「学びたい」「よりよく生きたい」という意識があふれ出ているようでした。またそういった学生の思いを全面的にサポートする施設の充実度にも驚きました。これはこれからの私たちの学生生活におけるモチベーションや問題解決に向かう主体性の見直しにもかかわる経験にもなったと感じています。その後の教授や先生方にお招きいただいたホームパーティーでも話題に上がったのですが"生活の中にある異文化をどう捉えるか"ということも今回学び感じ取ったことの一つです。
 小学校や大学その他にも現地の様々な場所を訪れましたが、多種多様な人種の方が共に生きるのが当たり前の世界でした。社会にいろいろな人がいるように学校にも十人十色の特性をもつ児童生徒がいて当然だと考えを深めるきっかけともなる経験でした。それぞれが自分の英語力と向き合い挑戦してみる大切さを実感しながら成長できた研修期間になったと心から感じています。多くの方にご支援ご協力いただき学ぶことができた数々のことを今後に生かしていきたいと思います。ありがとうございました。