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地方創生グローカル演習 in 台湾

令和6(2024)年度支援
研修先:台湾 実施部局:グローバル化推進センター 研修期間:2025年2月9日~2月 16日 (日間) 参加者数:(人)

 本研修は、「地方創生」をテーマに、台湾の高雄科技大学の学生と日本の高知大学および信州大学の学生が、「グローバル」と「ローカル」の視点から、高雄東港の地域課題解決に取り組む国際共修型のプログラムでした。解決と提案のための理論と実践を座学で学んだ後、東港の地方集落をモデルフィールドとして、地域住民・実践者との対話や自ら現地の活動に没入することにより、地域課題解決のアイデアを考え、提案にまとめました。
 本プログラムのゴールであるプレゼンテーションに向けて、諸活動は日台学生混合の少人数グループに分かれて行いました。最初の3日間は、台湾の地方創生や動画作成についての座学に取り組み、続く3日間で実際に東港を訪れて現地の方から話を伺うなど、実地調査を行いました。最後の2日間は再び高雄に戻り、動画の作成と発表に取り組みました。
 最初の3日間に行われた高雄科技大学での地方創生の講義では、少子高齢化や人口の都市集中、国家的な地方創生支援事業など、現在の日本と類似する課題とその対応策について学びました。台湾の地方創生の特徴として「文化の継承と新たな価値創造のバランス」があり、この点が学生にとって新たな学びとなったようです。また動画作成に関する実習では、実際に動画制作を職業としている方から、素材の取り方や撮影・編集のテクニックなどを学び、本プログラムに限らず様々な場面でも活用できる貴重な知識となりました。
 東港での現地実習では、主要産業である水産業のブランド化を目指した街づくりの中に学生は積極的に関わり、台湾の地方創生優先推進地域としての取組みを肌で感じながら学びました。あわせて、現地特有の文化・歴史・宗教などについても理解を深めました。
 高雄に戻ってからは、作成した地方創生プランの動画を披露するとともに、その背景にある課題や地域のモチベーションについて最終プレゼンテーションを行いました。動画は高く評価され、学生は動画メディアが地域の魅力を伝えるのに効果的な手段であることを強く認識しました。また今回のプログラムを通して、国籍や言語のみならず、年齢や社会的立場の異なる人々が集まる場での国際共修を経験し、そのような場における学びの姿勢についても多くを学ぶことができたようです。
 本プログラムは台湾のメディアでも取り上げられ、日台学生の共修の様子は現地の方々にも広く知られることとなりました。今後、国内外複数の大学が連携して行う海外派遣や国際共修の実施例が増加すると予想される中で、本プログラムの成功は一つの試金石になったと言えるでしょう。

【学生の声】
 今回のプログラムは高知大学と国立高雄科技大学が主催だったため、日本人の同行者のほとんどが高知大生、あとは台湾人であり、アウェーな環境でした。ですが、だからこそ自分が普段生活している環境では感じられない文化にふれることができ、たくさんの発見がありました。成長した部分も多く、コミュニケーション能力が向上し、プライドを捨てて積極的に学ぶ姿勢を見せることの大切さを感じました。また、台湾の地方創生の実態について実際のフィールドに出向き、現地人の方へのインタビューを通じて理解を深める事ができました。カヤックなどの楽しいアクティビティや、台湾ローカルご飯もたくさんたべることができ、概して満足度の高いプログラムでした!