Scholarships for Studying Abroad
海外留学のための奨学金

グローバル人材育成のためのスウェーデン学校臨床実習

令和5(2023年度)支援
研修先:スウェーデン 実施部局:教育学部 研修期間:2024年3月9日~3月20日 12(日間) 参加者数:7(人)

 本研修は、教育に関わる仕事に就きたい学生に北欧での約1週間の教育実習をさせることで、グローバルな視野で貢献できる人材を育てることを目的としています。

 スウェーデン学校研修はコロナ禍による中断はあるものの、2015年から教育学部が継続して実施しています。2019年からは金沢大学と共同で実施するようになり、今回は初めて聖心女子大学と津田塾大学も加えて、4大学合同で実施しました。信州大学からは教育学部と教育学研究科の学生7人が参加しました。

 教育実習に先立ち、信州大学教育学部との連携協定のあるウプサラ大学でスウェーデンの教員養成についての講義や学生の発表、職員による大学案内を聞きました。信州大学から来ている交換留学生と合流して交流ランチをした後は、晴天に恵まれたウプサラの街を散策しました。歴史あるウプサラの街を歩きながら、次はぜひとも交換留学生として来てみたい、と話す学生もいました。

 教育実習では、ナッカ市とウプサラ市の4つの公立基礎学校を訪問しました。朝、子供たちが登校する時間に合わせて学校を訪問し、日課が終わるまでそれぞれの教室で過ごしました。どの学校でも、先生方や子供たちが温かく迎えてくださり、参加者は毎日たくさんの刺激を受けました。特に、日本の教室との規律やルールの違いに気が付く参加者が多くいました。子供たちは比較的自由に過ごしていて、先生と生徒の関係もフラットな印象を受けました。理科の実験や工作、裁縫などの場面では、日本ではけがや事故がないように丁寧に説明して、みんなが同じように取り組みますが、スウェーデンではそれぞれの子供が試行錯誤を繰り返しながら、工夫して、やりたいように進めていました。また、支援が必要な時だけ先生が手助けをするという場面が見られました。
 休み時間や給食では、子供たちと遊んだり、話したりする時間がたくさんありました。小さい子でも、一生懸命英語で話しかけてくれて、仲良くなった子とは記念に帽子を交換したりしました。様々な違いに気が付きますが、こうした交流を通じて、遠く離れていても共通する部分があることも感じました。特に、子供たちに向き合う先生方の姿勢からは、根本的に変わらないことがあるということに気が付きました。
今回の研修を通して、参加者は自身の教育観を広げることができました。ある参加者は、「日本に帰ってからもスウェーデンでの研修の成果を十分に発揮し、より良い教師になるために努力を続けていきたい」と綴っています。

これらの活動を通じて、学生はスウェーデンの学校教育への理解を深めるとともに、日本の学校の良さや課題についても考える機会が持てました。

【学生の声①】
私が今回のスウェーデン研修に参加した一番の理由は、日本の教育とスウェーデンの教育にどのよう違いがあるのかを知りたかったからだ。スウェーデンの授業では教師に質問をする生徒がとても多い。生徒が疑問に感じたことや分からなかったことをわざわざ挙手をせずに自由に発言していた。今回の研修を通して、私は自分の教育観を広げることができた。ただ授業を見学するだけでなく、実際に問題の解説をしたり、担当の先生と教育についての話をしたりもした。日本に帰ってからもスウェーデンでの研修の成果を十分に発揮し、より良い教師になるために努力を続けていきたい。

【学生の声②】
印象に残っているのが、図画工作ルームでの生徒の様子です。日本では、ミシンなど危険を伴う機会を扱う場合、立ったままやらない。先生の話をよく聞き、周囲と同じものを作成する。と、いった事が基本となるかと思います。しかし、スウェーデンの子供たちは自分の興味のあるものをそれぞれで作っており、教師は見守る形で生徒が助けを必要としている時のみヘルプをしている印象でした。今回の見学では、日本とスウェーデンの教育の違いをとても強く感じました。それぞれの教育の利点や欠点にも、今後は目を向けてみたいです。