Scholarships for Studying Abroad
海外留学のための奨学金

海外農学実習(ドイツ)

令和5(2023年度)支援
研修先:ドイツ 実施部局:農学部 研修期間:2023年9月16日~9月23日 8(日間) 参加者数:6(人)

2023年9月16日から23日までの8日間ドイツ連邦共和国のフランクフルトロッテンブルクフライブルクの3都市近郊において森林・林業研修を実施した。このうち16日と17日の2日間は信大独自の18日から23日の6日間は国内他大学共同のプログラムである。今年度は主に森林生態系管理森林教育再生可能エネルギーの観点から実施され、9つの実習先を訪問した。いずれにおいても将来の持続可能社会を見据えており景観生態学的な計画性を備えさらに戦略的に実践している点に優位性が伺えた。

 2023年9月16日から23日までの8日間、フランクフルト近郊、ロッテンブルク周辺のシュバルツバルト、フライブルク近郊において森林・林業サマースクールを実施した。ドイツは林業先進国であると同時に環境先進国でもあるが今年度は持続可能社会の実現にむけた計画的な現場を見ることが多かった。そこで森林生態系管理森林教育再生可能エネルギーの観点から報告する。
 森林生態系管理に関してはロッテンブルク林業大学構内演習林におけるナラ大径木生産の管理Schopfloch市における自然保護区と果樹園の管理フライブルク市のダグラスファー導入試験地の管理について学んだ。いずれにおいても長期間の計画性を兼ね備えておりSchopfloch市では優良な景観維持を考慮した生態系サービスへの支払い事例の説明を受けた。
 森林教育についてはフライブルク市のWaldhausでのプログラムを学んだ。中学生までは原則無料であり年に複数回の受講も可能である。森林内の活動だけではなく木工室を兼ね備え制作の過程で木材の性質やほかの資材との違いを学ぶ。このプログラムが浸透すれば将来的に森林管理への理解がすすみ持続可能な森林経営につながる可能性が示唆される。
 再生可能エネルギーについては水の重量で斜面を上下するネロベルク鉄道を視察した。またフライブルク市の木造住宅を中心としたニュータウン計画について学ぶことができた。
 いずれの訪問地においても学生たちが講師やガイドに積極的に質問を投げかけており自然と議論の場に推移することもあった。この自主的に学ぶ姿勢は知識定着だけでなく異文化理解ドイツ型持続可能社会の理解を促しており学修成果を最大限に引き出していることを示唆している。

【学生の声①】
私は、ドイツで行われた海外農学実習に参加しました。参加した理由は、日本でない森林を自分の目で見聞きしたいと思ったからです。また進路を決める際に海外も考えていたので、その参考にもなると思いました。実際に行ってみて一番大きかったのは、海外でも暮らしていけそうというだという自信を得たことです。ドイツが現地集合だったこともありプログラムの前にスイスに一人旅をしたことも大きく、「海外でやっていけるのか」という不安が減りました。海外の人たちと話すことは楽しく、もっと英語をうまく話したり、聞き取れるようになればより楽しくなるだろうと思いました。また実際に見たことで、講義の中でドイツの林業について紹介されたときに、その様子がはっきりと浮かぶようになりました。海外も見てくることで、日本がより見えてくるのだと実感しました。海外実習を経て、海外の大学院に進むことも視野に入るようになりました。自分の将来設計に良い影響を与えてくれた経験になったと思います。

【学生の声②】
今回の実習で学ぼうという姿勢があれば、心配していることもどうにかなることを学んだ。ドイツ語はおろか、英語も講義の域をでない状態で実習に臨んだがどうにかなったからだ。ただ帰国後に英語を真面目に勉強しようと思った。実習の内容としては事前学習を踏まえたうえでのものだったので、現地での課題や日本とは違う部分がわかりやすかった。土地の特徴や樹種が異なっていても、直面している課題は日本と似通っているところがあり、興味深かった。普段自分がいる環境だけではなく、ほかの環境にも身を置いて視点を広げていくことは重要なのだなと身をもって感じた実習だった。