Learn from Experience & Letter
経験者から学ぶ&交換留学派遣生からの便り

野田 瑞奈

マレーシア

コロナ禍でのマレーシア留学

野田 瑞奈さん

人文学部 人文科 歴史学コース
留学期間:2020年2月 ~ 2021年2月
留学先:マラヤ大学

留学先大学について

私の留学先であったマラヤ大学は留学生にとても親切な大学だと感じました。留学前から、大学行事など大学に関する説明や寮の写真付きの説明、到着後の空港での流れなど詳しい資料がメールにて送られてきました。空港でのピックアップサービスはwifiやデータが無い中であったのでとても助かりました。留学生向けのオリエンテーションでは、buddyと呼ばれる信大でいうチューターのような学生がマレーシアの伝統的なダンスやK-popのダンスで迎えてくれました。午後には実際にそのダンスを習いました。留学生は7名ほどのグループに分けられ各グループに2名のBuddyがつくので何か困ったことがあれば直ぐにBuddyに相談できるという体制が整っておりとても安心でした。授業が始まると授業の登録に追われます。私はシステムがいまいち理解できず、ISCと呼ばれる留学生サポートセンターに、拙い英語ながら何度も相談しました。留学生とBuddyで構成されるサークルの様なものもあります。マラヤ大学はサポート面でとても充実していると感じました。

学習面について

マラヤ大学での授業は、ほとんどが1授業3時間の3単位制です。教授にもよりますが、2時間が講義、残りの1時間がチュートリアルに分かれていることが多いです。マレーシアではチュートリアルと呼ばれるディスカッションやプレゼンテーションを行う時間があります。そして留学生は2~4授業取ることが一般的でした。試験は私の頃はオンラインであったこともありレポートタイプのものが多かったです。時数はバラバラでしたが中にはA4で10枚分ほど書いた授業もありました。普段の授業は一部を除くほとんどの授業で英語が使われています。慣れない英語での授業という事もあり、予習・復習に追われる毎日でした。講義とはいえ、学生と教授の距離が近く教授がよく質問を投げかけてきたり、他の学生が自分の意見を述べる場面が多かったので、それに答えるためにも予習が欠かせませんでした。オンラインの授業は教授によって質は様々でした。

生活について

生活に関して、最も困ったことは大学内の寮(KK10)から教室や大学の門までが遠かったことです。教室までは大体徒歩で30分ほどかかりました。バスもありましたがあまり信用できなかったので毎日歩いていました。途中歩いていると高確率で野生の猿の群れに出くわし中々通れなかったり、またイスラム教文化なので長ズボンを履くことが決められているので毎回教室に着く頃には汗だくだったりと通学が一番困難でした。またどこかへ出かけるのにも大学門までが遠く徒歩では行けず毎回Grabというタクシーを使用しなければなりませんでした。授業のない日や週末は近くのモールに出掛けショッピングをしたりマラッカやバトゥ洞窟に日帰り旅行に行ったりしていました。また夜は寮に住む学生と一緒にバドミントンをして体を動かしていました。コロナの影響でロックダウンが始まると、ほとんどの学生は帰国してしまい、日本人は私1人になり、寮にも10人程しか残っていませんでした。1人になった時は正直不安で帰国も考えましたが、留学は中学の頃からの夢だったので諦めたくなく、残ることを決めました。3月から始まったロックダウンは6月に解除され徐々に日常に戻っていきました。そんなロックダウン解除後にちょうど始まった長期休暇はコロナの影響で3か月半あったのでマレー半島の東側の島にダイビングのライセンスを取りに行ったり、信大での研究のために1人で博物館巡りの旅をしたり、ゲストハウスでボランティアを始めたり…など様々なことに挑戦をしました。後期もそのままゲストハウスでボランティアを続けながらオンライン授業を受けていました。このボランティアは宿泊費が無料になること、宿泊客の方と距離が近いのでたくさんお話ができ友人が増え、また語学力向上に繋がることなど多くのメリットがありました。

留学で得たこと

ポジティブに物事を考えることの大切さ。○○だから何もできない…と後ろ向きに捉えるのではなく、○○だから△△ができた!と前向きに捉えるだけで充実した生活が遅れることを強く実感した留学生活でした。オンライン授業だから友達ができない…と最初は否定的でした。しかし裏を返せばオンラインだから学校に通う必要が無い=どこにいても授業が受けられる、と捉え直したことでゲストハウスでのボランティアを思いつきました。おかげで留学後半はより充実した留学生活を送ることが出来ました。また就職活動も会社説明会やインタンシップがオンラインになったことで、日本に帰国しなくても進められたのでその面でも逆にオンラインで良かったなと思っています。

後輩へのアドバイス、信州大学へのメッセージ等

私は1年間の留学で知の森基金から30万円の支援を頂きました。おかげで、中学の頃からの夢であった海外留学を実現させることが、またこれに自分のアルバイト代を加え、マレーシアで1年間不自由なく暮らせることが出来ました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます。