Learn from Experience & Letter
経験者から学ぶ&交換留学派遣生からの便り

古垣 夏実

マレーシア

新しい体験をすること

古垣 夏実さん

医学部保健学科
留学期間:2018年 9月 ~ 2019年 6月
留学先:マレーシアプトラ大学

留学先大学について

 マレーシアプトラ大学は16の学部を持つ総合大学です。農業校として設立されたため農学部が特に活発であり、とても広いキャンパスを持っています。マレーシアが多民族国家であるように大学内も様々な宗教や人種の学生がいます。特にイスラム教の学生が多く、一日に5回あるお祈りの時間には学内にアザーンが響いています。

 私の所属していた学部は信州大学における医学部保健学科に相当する学部で、看護学だけでなく臨床検査学や栄養学を専攻する学生が将来医療職者となるべく勉強をしていました。

学習面について

 授業の多くは英語で行われていました。マレーシアでは小学生や中学生のころから英語の教育が活発であるため、ほとんどの学生は英語を流暢に話すことができます。授業内容はディスカッションやプレゼンテーションを含む内容のものが多いと感じました。

 看護の講義に関しては日本と同様の内容も多くありましたが、再度学習をすることでより深く理解することができました。また、講義内で日本の医療制度や医療職、日本人の健康などについて発表することもありました。日本のことを発信することや他国の状況を聞き日本と比較することは信州大学から来た学生として、一人の日本人看護学生としての自分の立場を強く意識したきっかけとなりました。

生活について

 私はキャンパス内の留学生が住む寮に滞在していました。部屋は一人から三人部屋まで選ぶことができます。私は、前期は韓国から後期は中国からの学生と同室でした。飲食物について、飲み水はスーパーマーケットや学内の購買で購入していました。食事に関してはマレー系、中華系、インド系の食事など種類が豊富で毎食毎食楽しんで食べていました。

 マレーシアは多宗教の国であるため、それぞれの祝いの日は祝日となり毎回盛大に祝います。特に大型のショッピングモールでは豪勢な飾り付けがされていました。私はキリスト教のクリスマスやイスラム教のハリラヤ、中華系の旧正月などのイベントに参加をしました。いくつもの異なる文化が一つの国の中で共存していることを実感しました。

留学で得たこと

 留学を通して私が得たものの一つがフットワークの軽さです。留学中だけでなく事前の準備からその力は養われ始めていたと感じています。医学部は他学部に比べやや閉鎖的な雰囲気があります。その中で、自分で留学を決意し行動をすることができたことは大きな一歩だったと考えています。留学中においても自分の興味のあることや気になったことに迷わずに進んでいけるフットワークを身につけることができたことはこれからの将来に生かすことができると感じています。

後輩へのアドバイス、信州大学へのメッセージ等

 私は知の森基金から支援金を頂き、海外での学業に励むことができました。ありがとうございました。英語での授業や生活は自分が想像していたよりも忙しいものでしたが、大きなけがや病気、事故にも会わず無事に日々を過ごすことができました。

 看護を志す者として留学を行うことについて、留学前は大きな不安がありました。それは英語でのコミュニケーションや講義、日々の生活、そして日本での看護の学習から一時離れることでした。しかし、留学を終えて振り返ってみると案外人間は強くできていて異なる場へ行っても生きていけると感じます。留学を志す医療系学生だからといって海外の医療現場で働くことを目標にする、発展途上の国で医療を行うことを目標にする必要は必ずしもないと思います。自分のやりたいこと信じていることを強く思って一歩踏み出せば国境は簡単に超えることができると思います。

 最後に留学前からその後の日本での生活への復帰まで励まし、アドバイスをしてくださった家族や友人、先生方に深く感謝申し上げます。