充実した後半
野田 瑞奈さん
人文学部 人文学科
留学期間:2020年2月~2021年2月
留学先:マラヤ大学
留学生活
学校生活は前半と変わらず、全てがオンライン授業でした。マレーシアの授業は「講義」と「チュートリアル」というように2つに分かれているのが特徴です。講義は日本の大学のように教授が学生に教えるインプット型で、チュートリアルは講義の内容をクラスで討論したり、プレゼンテーションをするなどのアウトプット型のものです。前学期はマレー系の教授の授業を受け、今学期は中華系の教授、インド系の教授の授業を受けました(多民族国家のマレーシアならではです!)が、その中で1つ発見がありました。それはマレー系の学生や教授は割と自由にチュートリアルだけでなく講義中でも積極的に発言するなど、学生と教授の距離が近く、一方で中華系やインド系の教授の授業は講義中日本の大学の様に静かに聞き、チュートリアルで自らの意見を積極的に発言する、といった民族によって多少の違いがあることに気づきました。私はどちらのスタイルも好きですが、質問がしやすく和気あいあいとした雰囲気のマレー系の授業が自分に合っていたかなと思います。
1年以上もマレーシアにいたのにかかわらず1か月ほどしかキャンパスライフを楽しむことが出来ず、同世代の友達があまりできなかったことは少し心残りですが、こういった多民族国家ならではの雰囲気や文化の違いを感じ取れたので、とても良い経験になりました。
日常生活
マレーシアでは20年3月から6月までロックダウンで、6月から国内旅行が解禁になりました。解禁後は信大での自分の研究の知識を深めるために合計7つの博物館を巡る2泊3日の1人旅をしたり、韓国人のルームメイトとPerhentian島という私の大好きな島でスキューバダイビングのライセンスを取りに行ったり、Tioman島やLangkawi島にダイビングをしに行ったりなど長期休暇を満喫しました(手洗い、マスク、消毒はしっかりしていました)。新学期が始まる前にルームメイトと話し合い、Langkawi島でお世話になったゲストハウスでボランティアとして働くことを決めました。この理由としては、2人ともマレーシアでのインターンシップが叶わなかったこと、交友関係を広げたいということ、英語利用機会を増やしたいという2人の希望が一致したからです。この決断のおかげで年齢・国籍関係なく様々な方と交流して自分の視野を広げることが出来たり、クリスマスや正月、旧正月などの行事をマレーシアスタイルで楽しめたりなど、キャンパスライフとはまた違った経験を得ることが出来ました。
また年明けごろからは就職活動にも力を入れました。コロナの影響でほとんどの会社説明会やインターンシップがオンラインで開催されたことで、そんなに不自由なく就職活動をスタートすることが出来ました。
1年間の留学を終えて
最初は初めてのマレーシアに不安もありましたが、日本人の方やマレーシア人のbuddy(チューターのような方)にたくさん助けてもらいながらキャンパスライフを楽しむことが出来ました。しかし、コロナの影響で1か月後には日本人学生が私1人しかいないという状況になり、また、いつロックダウンが解除され日常が戻ってくるのかという不安から、本気で帰国も考えましが、英語を伸ばす機会だとポジティブにとらえ滞在する選択をして心の底から良かったと今は思います。その後ロックダウンが解除され自分の研究のフィールドワークも、インターンシップに代わる経験もでき、とても充実した留学生活を送ることが出来たと思っています。この留学生活を通して、「コロナだからできない」と後ろ向きに捉えるのではなく、「コロナだからできる」と逆境でも常に前向きに考え行動することで、できることの範囲が格段に変わることを、身をもって経験しました。最後に、自分の意志で帰国か留学継続かを判断させてくれた信大の先生方に心から感謝いたします。本当にありがとうございました。
※写真はLangkawi島でのサンセットと、マレーシアVerの焼き鳥「サテー」です。