Learn from Experience & Letter
経験者から学ぶ&交換留学派遣生からの便り

金丸 峻

マレーシア

諦めずに挑戦を

金丸 峻さん

経済学部 経済学科
留学期間:2013年9月~2014年7月
留学先:マラヤ大学 

留学先大学について

マラヤ大学はマレーシアの独立以前に創立された、最も伝統のある国立大学で、有名な政治家や著名人も輩出している非常に由緒ある大学です。私の留学期間にはマハティール元首相やオバマ大統領がマラヤ大学を訪問しました。首都クアラルンプールに位置していますが、キャンパスも広大で、12個の学部及び12個の寮を有しています。したがって、私は教室に行くためによくバスを利用していました。人によってはタクシーを使って、授業に行く人も見受けられました。簡単に言うと、大学全体が1つの町になっているようなイメージです。日本の大学のように大学生や大学の職員しかキャンパス内に入らないわけではなく、市街地と同様タクシーやバスも通ります。

学習面について

私は派遣先大学でそれほど多くの授業を取っていたわけではありませんが、信州大学の経済学部の授業と、マラヤ大学のFaculty of Economics and Administration(FEA)の授業を比べての一番大きな違いは、やはり課題の量だと感じました。まず、FEAで開講されている授業はほとんど全てのクラスにプレゼンテーションがあります。テーマは教授から伝えられ、個人またはグループで行います。信州大学経済学部の授業では、プレゼンをするという授業はほとんどないので、プレゼンをどのように構成するか考えるのに時間がかかり、また私の英語もかなり拙いものだったので、最初は準備に多くの時間を使いました。それに加え、レポートの提出を求められる授業もあります。各授業は、①教授による講義:2時間、②チュートリアル:1時間 という2つのパートに分けられます。①はいわゆる一般的な授業です。②のチュートリアルというのは、簡単に言うとグループワークのようなものです。チュートリアルのなかでプレゼンテーションを行ったり、ディスカッションをしたりします。これは学生にとって、講義がどちらかというと受動的であるのに対し、能動的に授業に関連のあるテーマについて取り組むという性質があります。

生活について

先ほど書いたように、マラヤ大学は12個の寮を有していて、交換留学生はそのうちの1つの寮に割り当てられます(10寮)。1部屋に2人から3人住むことができるので、かなりの確率でルームメートを持つことになります。10寮は丘の上のようなところに建ててあり、図書館や各学部に行くには徒歩で15分から20分ほどかかります。したがって、ほとんどの人は大学が提供・運営しているバスを使い授業に行きます。
外出するためには、バスやタクシーを使うことができます。大学から最寄駅まではバスを使えばRM1(1 リンギット/リンギ ≒ 30円) で行け、タクシーをつかえば約RM6と、かなり安い料金でアクセス可能です。また最寄りのショッピングモールまではタクシーで約RM8、バスでRM2で行けます。このショッピングモールはMid Valleyといい、とてつもなく巨大で、ショッピングだけでなく食事においても、ローカルフードから日本食まで楽しめます。基本的にこの場所に行けば何でもそろうので、買い物に関しては心配いりません。
食事に関してですが、寮で食べることができます。各寮・各学部に食事のできるスペースがあるので、食べ物が体に合えばわざわざ遠くに行く必要もありません。また寮には共同の冷蔵庫やクッキングヒーターもあるので、料理をすることもできます。

留学で得たこと

まず1つ目はやはり、言語に関してだと思います。マレーシアはマレー語が国語ですが、マラヤ大学のFEAでは、ほとんどすべての講義が英語で実施されます。ルームメートとも英語で話すため、自然と英語でのコミュニケーション能力は身に付きます。そしてそれは、私が留学をしようと思った主たる目的でした。ただ、留学を通して感じたことは、言語の習得は留学で得たことのほんの一部でしかないということです。私は留学する前は海外に出た経験が全くありませんでした。したがって、慣れない環境に身を置くことが何よりの収穫だったと感じています。言葉で言うと、かなりシンプルに聞こえますが、全く異なる環境で暮らすということはわくわくする反面、自分の日常生活を、全く違った環境に適応させなければならないという点で、とても大変な経験でした。しかし、この経験ができたことは今後、プラスにはなっても、決してマイナスにはならないことを確信しています。

後輩へのアドバイス

留学をすることを目指していて、今これを読んでくれている方、ぜひ諦めず挑戦してください。留学することは間違いなく日本では経験できないようなことに出会えます。手続きも煩雑かもしれませんし、経済的にも負担がかかります。しかし、もしも本気で留学したいと考えているなら、それを諦めてしまった時の後悔の方がもっとずっと大きいでしょう。国際交流センターの方々も親身になってアドバイスをしてくださいます。ぜひ頑張ってください。