Learn from Experience & Letter
経験者から学ぶ&交換留学派遣生からの便り

久山 夏苗

フランス

成長と経験

久山 夏苗さん


留学期間:2018年 9月 ~ 2019年 6月
留学先:リール大学

留学先大学について

 私が通っていたリール大学は、パリからTGVで北に1時間ほど行ったところにあるリールという街の郊外にあります。多種多様な学部学科があるので、学生の数は多く、留学生も自分の興味のある授業を好きに受けることができます。また、ESNLILLEという学生団体が、留学生向けのイベントを数多く主催してくれているので、留学生同士で仲良くなることもできます。

学習面について

 私はリール大学の講義を受けるための語学能力が足りなかったので、fall semestreは語学コースを受講していました。15人程のクラスが2つしかなかったので、規模は小さめでしたが、そのかわりにみんなと仲良くなることができました。最初は授業にまったくついていけませんでしたが、同じ留学生の方々や、先生などが気にかけてくれて、最後のテストでは合格することができました。Spring semestreからはようやくリール大学の授業を受けることができるようになり、私は自分が興味を持っているフランス文学や演劇、映画の歴史などの授業を受けていましたが、まったくついていくことができませんでした。最初はつらかったですが、このままではだめだと思い、最後の方には自分の席の近くのフランス人に声をかけ、授業の間だけでも勉強を手伝ってくれる人を見つけることができました。

生活について

 私は学生寮に住んでいたのですが、そこには日本人が10人程いたので、生活を始める中で困ることは特にありませんでした。さらに、週に一回、日本人とフランス人が交流し、お互いの国の言語を教えあうという会があったので、わからないことは現地のフランス人に聞けるし、異国で初めて生活をするにあたってありがたい環境だなと思いました。住んでいるところはスーパーも近いし、すぐ隣がリール大学だったので治安も良くて、本当に生活しやすいところでした。もしこれからリール大学に行くという人がいれば、REEFLEXという寮に入るのがおすすめです。

留学で得たこと

 私はわりと人見知りで、どちらかというと引っ込み思案なところがあるので、自分から何かをするということが苦手でした。しかしフランスに留学して、自分から行動を起こさないといけない場面が多々でてきました。わからないことも、うまくいかないことも、日本で暮らすより圧倒的に多かったし、自分から動かないと何も変わらないと思っていても行動することが怖かった。それが苦痛で日本に帰りたいなと思うことも何度もありました。しかし、受け身のままでも生活はできるけれど、受け身のままでは成長できない。そう思って、勇気をもって行動を起こしてみたら、思っていたよりも簡単に物事を進めることができたり、助けを求めたらそれ以上の優しさで返してくれたり。頑張って話しかけてよかったなと思えることが多かったし、自分から見たらうまくいかないことも、他人から見ればそうでもないということも多かったです。この1年のおかげで、私は自分で設定していた高い高いハードルを、自分で飛び越えられるところまで下げることができたと思います。

後輩へのアドバイス、知の森基金へ一言

 リール大学は、日本人とフランス人の交流が厚いので、フランス人とフランス語を話す機会には恵まれていると思います。また、受講できる授業もたくさんあるので、自分の専門分野以外で興味のある分野を学ぶことも可能です。

 留学に「行きたい」という気持ちはもちろん大切ですが、留学先で「何をしたいか」というのも同じくらいに大切だと思います。もし今留学を考えている方がこれを見てくださっているなら、留学に行って一番に何をしたいのか、何のために行くのかということを、留学する前に考えてみてください。私は「行きたい」という気持ちだけで突っ走ってしまったので、留学先で何をしたいか、何をするべきかについてだいぶ悩み、もっと考えればよかったなと後悔しました。けれど、自分の目でいろいろなものを見ることができたし、日本では経験できなかったことを経験することができたので、留学したことを後悔はしていません。

 その経験を与えてくれた、グローバル化推進センター・国際企画課の方々、先生方、留学を支援してくださった知の森基金様、そして留学を後押ししてくれた家族や友達や先輩方に、心より感謝申し上げます。