Learn from Experience & Letter
経験者から学ぶ&交換留学派遣生からの便り

木村 ひなの

台湾

やりたいことを諦めずに

木村 ひなのさん

人文学部 人文学科
留学期間:2024年9月~2025年1月
留学先:国立曁南国際大学

留学先大学について

国立曁南国際大学は台湾の真ん中、南投縣埔里鎮に位置する国際総合大学です。管理、科技、人文、教育の4学院があり、20以上の学科を有しています。キャンパスは小高い山の中にあり、豊かな自然で溢れています。埔里鎮という地域は台湾で有名な自然豊かな観光地であり、大学の近くには日月潭というとても綺麗な湖があります。学内の言語は主に台湾華語(台湾で話されている中国語)ですが、英語開講授業を受講可能です。台湾では政府の方針で英語教育に力を入れているため、英語に長けた学生も多くいます。留学生も多く、華僑学生の他にタイ、ミャンマー、インドネシアなど東南アジア出身の学生が多く在籍しています。

学習面について

私は中国語ではなく英語での履修で交換留学に申し込んだので、英語開講授業の履修登録に苦労しました。まず、受講したいと思っていた講義があまり開講されておらず、希望通りの講義を受講する事ができませんでした。最終的に情報工学の初習英語、経営学、観光学の3つの講義を履修しました。英語開講だと思っていた講義が9割中国語で進行されていた事があり、その際は留学先の教授・所属学部・国際部の方に履修の変更を手伝っていただきました。

留学期間中、国際部の方には大変お世話になり、何でも質問・相談させていただきました。また、日本語が堪能な職員さんやチューターの学生がとても親切で、生活面、学習面、心理面と留学生活全般においてとても助けていただきました。
講義はグループでのディスカッション・プレゼン・課題提出がメインで、1〜3週に1度資料を作成してプレゼンをする機会がありました。台湾の学生は英語が堪能で積極的に話しかけてくれる方もいれば、英語に苦手意識があり、英語での会話を避ける方もいました。しかし、どの学生もこちらが話しかければ親切に教えてくれる点では共通していました。東南アジア出身の学生は英語を話し慣れていない場合が多く、簡単で分かりやすい英語を使うように意識しました。苦労した点は、英語力の差があり、思ったように意思疎通ができなかった事と、プレゼンや課題提出の際に英語が得意な学生の負担が大きくなってしまった事です。面白かった点は、ディスカッションをする際に私が言った意見に対して他の学生のウケが良かった場合、その社会制度や価値観は日本特有のものだという発見になった事です。

生活について

学内にファミリーマート・学食(7店舗)・カフェがあったので、基本的に3食とも学内で済ませていました。日用品が必要な場合は、学内の購買か、1時間に1本大学から出ているバスで15分程山を下った町にあるスーパーに買い物に行きました。また、地方であっても食品から日用品、洋服まで至る所で日本製品を入手する事ができたので、生活する上で特に困った事は無かったです。
台湾は朝食文化や外食文化で有名なので、授業前に友達と町に降りて朝食を食べに行ったり、授業後に町中でご飯を食べたり、週末は夜市を楽しみました。小さな町でしたが飲食店は豊富で、毎回違う台湾料理や台湾茶を楽しむ事ができました。

大学の周囲にレジャー施設はほぼないので、多くの現地学生は休み時間や放課後にスポーツを楽しんでしました。また、台湾は面積の小さな国なので、土日に台北や台南に行って旅行を楽しみました。
加えて、国際部の方が様々なイベントを用意してくださり、台湾文化を知る多くの体験をしました。例えば台湾の高校生との郷土料理製作・パッションフルーツ狩り・沢登りを通した交流や、台湾刺繍・書道・切り紙などを体験しました。また、中秋の名月を祝うイベントやクリスマスパーティーでは留学生が一堂に会して自国の文化を語り合い、各国の文化の違いを学ぶ事ができました。

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留学で得たこと

「自己主張する事の大切さ」と「日本の良さ」を知る事ができました。留学に行く前のガイダンスで、GECの方から「日本は察する文化だが、海外でははっきりと主張する事が大事」といったお話を伺いました。知識ではその事を認識していましたが、いざ海外で生活すると、「自己主張する事に慣れていない自分」と向き合わなければならない機会が何度もありました。最初は明確に自己主張する事にとても苦労しましたが、はっきり意見を言わないと相手に自分の意見が正しく伝わらないという経験を何度もしました。そして「言えた」「伝わった」を積み重ねていくうちに、段々と自分の意見に自信を持って相手に意見を伝える事ができるようになりました。
また、台湾では都会でも田舎でも日本製品を目にする機会がとても多く、日本がもつ近隣国への影響力の大きさや、日本のアニメ・キャラクター文化が外国でも愛されている事、日本製品に対する信頼性などを感じる事ができました。そのため、日本に対して好感を抱いてくれている台湾人が多く、露店のおじさんが「日本人でしょ!笑顔でわかったよ」と話しかけてくれた事や、旅行中に「日本人?私日系企業で働いていたよ。台湾楽しんでね」と声をかけてもらう事もありました。これらは全て先の日本人の方々の行いや、日本文化や製品を世界に発信下さっている方々のお陰です。私は海外に飛び出したくて、日本を外から見てみたくて留学を決意したので、思いがけず日本の良さを実感する機会となりました。

後輩へのアドバイス

やりたい事があるなら全部言葉にした方がいいです。私は両親に留学に行きたいと言い出せず心の中に留めていた結果、卒業間近でやはり留学に行きたいと言い周囲に迷惑をかけてしまいました。その夢が現実的かどうかは置いておいて、やってみたいと思った時にそれを誰かに言ってみたり、相談したりしてみたらいいと思います。その夢は途中で変わってもいいし、誰かに迷惑をかけてしまう事でも、とりあえず思った時に思った事を言ってみたらいいと思います。信大の先生方や職員さんはとても親身になって相談に乗ってくれます。自分自身で「無理かな」と思ってやりたい事を諦めてしまうのは勿体無いです。誰かに言う事で、その誰かが違う視点や広い視野でアドバイスをくれ、自分の夢の実現可能性が高まる事があります。私は留学をするにあたり卒業が伸びてしまったけれど、それも込みでとてもいい学生生活になりました。やりたい事があるならぜひ思った時に口にしてみてください。

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知の森基金へのメッセージ

受給させていただきとても感謝しています。自分の夢なので、自分自信で努力して留学資金の用意をはじめ留学準備をする事は必然です。しかし、留学に向けた学習に割く時間や資料収集、その他手続きをするにあたり、自分自身で補いきれなかった時間や金銭的な部分を助けていただきました。おかげさまで、学びの多い留学生活を送ることができ、充実した学生生活を終えることができました。ありがとうございました。留学生活で得た学びを糧に、社会人として日本社会を支えていけるよう、今後も学び続けていきます。