とりあえずやってみる!!
外口 克美さん
経済学部 経済学科
留学期間:2011年9月~2012年6月
留学先:北京外国語大学
留学先大学について
北京外国語大学は各国からの学生が中国語を勉強しに来ており、世界中の人と触れ合うことができます。先生の教え方も丁寧でわかりやすくクラスはいつも笑顔 が絶えませんでした。汉语/口语/读写の必修科目以外に、選択クラスや文化体験(有料)活動が設けられており、自分が学習したいことを積極的に学ぶことが できます。留学生が学ぶ中文楼は、平日22時、週末は20時まで教室が解放されており自習に便利です。残念だったことは中国人の学生と触れ合う機会がな かったことです。そのため自ら積極的に日本語を学んでいる学生を探して、相互学習をお勧めします。それからチューターがいないのですが、日本人の学生が多 いので、困ったことがあったら本科生の先輩に相談するといいです。
学習面について
私は経済学部で中国語を選択していなかったので、留学が決まってから出発までの約半年間、ピンインや声調を勉強して出発しました。クラスはA(初 級)~H(高級)まで分かれており、初めにパソコンでピンイン試験と、先生と1対1で会話の試験が行われクラス分けされます。私は前期Bクラス(口語はA クラス)に入りましたが、初めは全く先生の言っていることが聞き取れませんでした。周りの生徒がやっていることを真似したり、日本人の学生にこっそり教え てもらったりしてついていくのがやっとでした。あるときフランス人のクラスメートに「あなたの言っている中国語全くわからない」と言われ、悔しさでいっぱ いになり、いつまでも初心者だからって甘ったれていてはいけないと気づかされ、そこから必死に勉強を始めました。後期は学校からCクラスに割り当てられた のですが、(後期は前期より2つ上のクラスになる)特別に試験を受けDクラスになり、それでも満足がいかず、事務室の先生に「絶対についていく自信があり ます」と契約書を提出してEクラスに変えてもらいました。その後3月にHSK5級合格、5月にHSK6級を合格することができました。しかし、中国語と日 本語で漢字が一緒なので、読むのはすぐ習得できたのですが、発音がなかなか上達せず、聞き取りもいまだに中国人の会話のペースで聞き取るのは困難です。ま た中国人の特に年配の方は、発音や声調が違うと全く聞き取ってもらえず、すぐに「听不懂(ティンブドン)」と相手にしてもらえないので、発言するのに勇気 が要ります。でもめげずに積極的に使おうとする姿勢が大切です。
生活について
まず物価の安さに驚きました。たとえば水550ml1元(1元13円程度)、一回の外食平均20元、タクシー初乗り10元、地下鉄1乗車2元(どこまで も)など。それから値札のない市場や商店では必ず交渉をしなくてはなりません。それなので買い物後はかなり精神が疲れます。 治安は悪いと感じませんでしたが、路上や地下鉄などで病気や障害で体が不自由な人、赤ちゃんや子供を抱いた貧しい人、老人などが寄ってきて手を差し出され ることが何度かあり、やるせない気持ちになりました。貧富の差が大きく、福祉制度の行き届きが不十分だと感じました。また特に旅行に行った先で偽善者を 装った詐欺師があらゆる手段で騙そうとするので、優しくされたからと信用しないように注意が必要です。 北京外国語大学のキャンパス内にジム(1回15元)と50mプール(1回8元)があります。1か月や3か月のカードを買うとさらにお得に利用できます。 学校の付近にスーパーや中華・日本食・韓国料理のお店があり、またMcDonalds,KFC,ほっともっとなどのチェーン店をはじめ、個人経営のお店で も電話注文・配達サービスが利用できるので大変便利です。 交通はバス・地下鉄・タクシーが中心です。北京は渋滞がひどく運転もかなり荒いです。トイレには紙がなく、たまに鍵がなかったり、鍵があってもしなかった りなんて人もいました。地方に行けばドアもなく、息ができないほどの匂いでトイレに入れないこともありました。
留学で得たこと
いろんな国の人と知り合って、様々な考え方があると気づきました。また各国の人と知り合ったことによって、その人の国や文化に興味を持ち視野を広げるきっ かけにもなりました。それによって世界が日本にいた時より小さく感じるようになりました。中国に行くまでは中国語がこんなにも世界の人々から注目されてい る言語だとは知りませんでした。
後輩へのアドバイス
しゃべれなくてもそれなりにコミュニケーションが図れるので、迷っているなら思い切って行ってみてください。私たちが普段の生活で得るテレビのニュースや 新聞からの情報は、日本のメディアによって淘汰されたほんの一部にしかすぎません。また実際に自分で経験して得たものは一生の財産になると思います。言語 を学ぶにはその国に行くのが一番の方法だと思います。