Learn from Experience & Letter
経験者から学ぶ&交換留学派遣生からの便り

赤尾 美咲

ドイツ

不確実性が苦手な私の交換留学

赤尾 美咲さん

農学部 農学生命科学科 森林・環境共生学コース
留学期間:2025年10月~2026年7月
留学先:ライプツィヒ大学

留学先大学について
ドイツ東部の都市・ライプツィヒの中心部に位置するライプツィヒ大学は、設立から600年以上の歴史ある公立総合大学です。総学生数約3万人のうち10%程度が留学生であることから、留学生へのサポートは大変手厚いです。さらに、日本学科と日本人学生のつながりも強く、LINEグループに参加することで、わからないことを尋ねたり、イベントの案内を受け取ったりすることができます。

14学部あるなかで、私は生命科学部の生物多様性・生態学・進化学国際修士課程に所属しました。このコースは、iDiv(ドイツ統合生物多様性研究センター)と提携を結んでおり、私の研究と密接に関わる学問分野です。本大学は、市内にキャンパスが点在しており、所属学部によってはメインキャンパスから離れた建物で講義や演習が行われる可能性があるので、事前確認が必要です。

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学習面について
私は、冬学期に専門学習に集中し、夏学期に語学学習に集中するスタイルにしました。具体的には、冬学期に"生物多様性の定量的な解析手法"の講義,ゼミ,演習を履修することで、卒論で使用する解析の理論と実践を学びました。夏学期には、留学生向けのドイツ語と英語の語学コースを履修しながら、修士課程で"生物多様性と生態系機能"の講義を聴講しました。

こうした正規の履修とは別に、様々なご縁が重なり、iDiv創設メンバーの教授と個人的にコミュニケーションをとる機会にも恵まれました。私の卒業研究の解析に対して数度にわたりミーティングの場を設けてくださり、いただいたアドバイスを基に解析の質を高めることができました。

さらに夏には、Leipzig Canopy CraneにおけるiDivの定期調査に同行し、調査員の補助を務めることで、ドイツの生態学研究の最先端を直接学ぶ機会も得ました。調査の合間には、ドイツと日本の森林や環境問題、生態学研究に関する視点や取り組みの違いについて意見交換をしました。

これらの経験は、留学と同時並行的に行っていた信大の院試にも活かされ、特に解析手法の説明と解釈に説得力を持たせることができました。

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生活について
3年前に海外農学実習で2週間程度ドイツに滞在した経験があったので、大きなカルチャーショックを感じることはありませんでした。初めての寮生活(4人のシェアフラット)でしたが全員仲が良く、定期的にフードパーティーをして、それぞれの母国の料理を楽しみました。

ライプツィヒは比較的大きな街なので、大抵のものはメインキャンパス周辺で購入できます。アジアンスーパーがあるため、日本食を手に入れることも可能です。外食はやや高価(10€以上)なので、ほとんど自炊していました。もし自炊が苦手であれば学食に行くといいと思います(約4€)。

休日は旅先でのトラブルを避けるために、稀に日帰り旅行をする程度でしたが、大型休暇中には友人を訪ねる形でオーストリアとフランスへ足を延ばす機会がありました。慣れない土地でも、案内してくれる友人のおかげで、留学生活を豊かにする経験を得られました。

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留学で得たこと
この交換留学で得られた最も価値のあることは、様々な視点からの意見が混ざり合って新たなアイデアが生まれていくことを恐れないようになったことです。多様なアイデンティティを持つ人がいるドイツで生活し、会話を重ねることで、ひとつの問題に対する捉え方がより多角的になりました。

また、人々の考え方にはその国の風土がとても強く影響することも学びました。私の専門分野である森林科学においても例外でなく、森林に対するドイツ人と日本人との向き合い方の違いは、風土の違いが根底にあるのではないかという気づきを得ました。

これらの経験と気づきから、各国の文化や慣習、さらに専門分野においても、より視野を広く持ち、理解に努め、柔軟な対応をできるようになりました。

後輩へのアドバイス
私は不確実性(将来や結果が想像できない事)が苦手で、新しい挑戦は極力避けたいと思うような人間です。それなのになぜ交換留学を決めたのか、留学中は自分でもよくわからなくなる時がありました。しかしおそらく、専門分野に対する知的好奇心が、不確実性に対する不安を打ち負かしたからなのだろうと、留学を終えたいまは理解しています。

海外留学への障壁は多く、そして複雑です。必ずしも全員が行くべきだとは思いません。しかし、交換留学や専門分野に対する抑えきれない興味があるならば、それは絶好のチャンスです。仮に語学力への不安があったとしても、一旦端に置いて(現地で練習したら何とかなります!)、不確実な方向へ舵を切ってみると、今までに想像していた確実性の高い日々よりも、何倍も楽しい未来が待っているかもしれません。