Learn from Experience & Letter
経験者から学ぶ&交換留学派遣生からの便り

森次 茜

ドイツ

自分に合った留学生活を

森次 茜さん

人文学部 人文学科
留学期間:2019年3月 ~ 2020年2月
留学先:レーゲンスブルク大学

留学先大学について

 バイエルン州のドナウ川沿いに位置するレーゲンスブルクは、世界遺産にも登録されている旧市街地を有する、歴史ある街です。大都市というわけではありませんが小さすぎるわけでもなく、街全体にゆったりとした時間が流れているような心地よい雰囲気が漂っています。レーゲンスブルク大学もその例に漏れず、広大なキャンパス内には原っぱやレストラン、休憩にも自習にも利用できるカフェテリア等、学生がリラックスできる空間が随所に存在しています。他にも私は利用しませんでしたが、劇場やスポーツ施設もあります。

 また、レーゲンスブルク大学では各国からの留学生も数多く受け入れており、留学生同士で交流できるイベントも豊富です。特に夏学期は同じ日本からの留学生も多いので、友達を作りやすいと思います。留学当初に必要な市役所や保険の手続き等も、大学側が手厚くサポートしてくれたので非常に心強かったです。

学習面について

 留学生用のドイツ語の授業は細かくレベル分けされており、最初に受けるドイツ語のテストで振り分けられたレベルによってとれる授業が変わってきます。授業は通常のドイツ語のほか、リスニング、ライティング、語彙、地誌学、映画、プレゼンテーション等非常に多種多様なものが用意されています。多くの留学生で協力して1つの劇を完成させるという企画のような授業もあります。一定レベル以上のドイツ語、又は英語ができる場合は、留学生用のもの以外の授業も受講することができます。

 授業外ではタンデムという、日本語を勉強しているドイツ人学生とパートナーとなり、お互いの母国語や文化について教え合うということをしていました。タンデムパートナーからは授業ではあまり教わらないような、日常生活で使う言い回しや口語、ドイツやバイエルンの文化等、色々なことを教えてもらいました。実際のドイツ語話者と継続して会話する機会が得られるので、外国語の学習方法としてタンデムはとても良いと思います。

生活について

 基本的に食料品の物価は安いですが1パックの量が多いので、近くに友達がいれば食材を割り勘で買って一緒に作るのも手です。私は日本から一緒に来た友達と寮の部屋も近くキッチンも共同だったので、夕食はほぼ毎日一緒に作って食べていました。旧市街地には味噌や出汁といった日本の食材が手に入るアジアンショップもあり、そのおかげで食事に困ることはほとんどありませんでした。

 また、旧市街地にはカフェやアイスクリーム屋が至る所にあり、放課後や休日にはよく巡りました。どのお店も紅茶やコーヒーの種類が豊富で、アイスクリームも日本ではなかなか見られないフレーバーがあるので、行く度に新たな発見ができるのが楽しかったです。

 旅行は週末に時々ミュンヘンへ行き、長期休暇にライプツィヒ、ドレスデン、オーストリアのザルツブルク、スイスへ行きました。ドレスデンでは、ドイツ最古のクリスマスマーケットと言われるシュトリ―ツェルマルクトで本場のシュトレンを購入できたのがとても嬉しかったです。

留学で得たこと

 今までよりも自分を理解できるようになったと思います。授業では自分のことや考えを話す機会も多く、日常生活では友達の普段思っていることを聞いているうちに「この人はこんなことを考えている。じゃ私は…?」と考えるようになり、自分の心を強く意識するようになったからでしょう。そしてそれが他人と比べて良いか悪いかではなく、ありのままの自分として受け入れることで自己肯定感の向上に繋がりました。自分の心に素直になっていくらか気も楽になったと感じています。

後輩へのアドバイス、大学へのメッセージ等

 物価が安いとはいえ、渡航代・寮の家賃・保険料等、留学のための費用はそれなりに必要になるので、知の森基金に援助していただけたのはとてもありがたいことだと感じています。

 異国の地で暮らすのは最初はなかなか大変ですが、時間・お金・気力・体力の許すうちは、興味のあることに色々挑戦してみてください。それで合わないと感じたならば無理する必要はありません。頑張ることは良いことですが、楽しいのが一番だと思います。そのうちお気に入りのスポットや自分に合ったライフスタイルが見つかることでしょう。見知らぬ人とのコミュニケーションも、誠意をもって伝えようとすれば大抵の人は笑顔で答えてくれます。時々仕事上の対応等で冷たい人はいますが、運が悪かったと思って引きずらないのが吉です。

 日常生活の中でなにかあれば、週に1回日本人の留学生と日本に興味のあるドイツ人学生・社会人の会合「シュタムティッシュ」が開かれているので、行ってみれば何かアドバイスが得られるかもしれません。前述の通り自炊もですが、電車の切符も複数人で購入すると1人当たりの値段が安くなったりと、誰かと一緒だと心強いだけではなくお得になることが多いです。色々な人を頼ると良いでしょう。

 最後にお勧めしたいのが、スーパーに売っているフルーツです。日本ではあまり見ないものから日本でもお馴染みの意外なものまで、どれも安くて美味しいので軽食やデザートに色々食べてみてください。ただし夏はすぐにコバエが集ってしまうので要注意です。