Learn from Experience & Letter
経験者から学ぶ&交換留学派遣生からの便り

瀧沢 快斗

オランダ

カルチャーショック

瀧沢 快斗さん

教育学部 学校教育教員養成課程
留学期間:2019年 11月(留学3ヶ月目)
留学先:ゾイド大学

【勉強面】

 今学期を振り返ると、総合的にみて非常に良かったと思う。まず、授業については全ての授業がもちろんのことながら英語で行われ、最初は授業の半分以上理解することができずに大変だったが、分からないことは現地学生に助けを求めながらこなし、課題等も全て期限までに提出することができた。全体の授業のコマ数はそこまで多くないためしっかりと授業の予習・復習する時間が確保できた。授業の内容については、自分の日本での専攻と重複していることや、興味深いものがほとんどなので楽しみながら授業を受けることができた。全ての授業の単位を取ることができ、成績を見ても想像以上よく頑張れたのではないかと感じる。テストの形式は様々で、マークシートによるものもあれば、テストの代わりにレポート提出やプレゼンテーションがテストの代わりになることもあった。しかし、全てにおいて最善の準備をして臨んだので、そこまで危機感を感じることや不安を感じることはなかった。

 しかし、タイトルにも示したように、勉学の面でも様々なカルチャーショックを感じた。まず、オランダでは教師と学生は対等の立場であるとされているので授業中に教授が話している途中であるにも関わらず、学生が挙手をして質問や意見、自分の授業に対する考えを発言した。日本ではなかなか見ない光景であったので初めのうちはその雰囲気に圧倒されていた。次に、オランダの学生は勉強熱心な人が多く、毎日のように空きコマや放課後を使って自主学習に励んでいる姿をみて非常に驚いた。また、学習量が日本の数倍ほどあるのではないかと感じるくらいあり、具体例を示すと、日本語専攻している学生は、第一週目ですべてのひらがな、二週目ですべてのカタカナ、三週目からは漢字を覚えなくてはいけなく、そこに加え、文法やスピーキングの授業、一般教養を学習していた。そのため遊ぶ時間を最小限に抑え勉強している学生が多くいる。三つ目に現地学生の言語能力に驚かされた。多くの生徒がオランダ語はもちろん、英語を流暢に話すことができ、さらに第三言語、第四言語と、最高で今習っている日本語が第六言語目という学生がいる。自分が今学習している英語が第二言語であるのでその差は明らかである。多くの言語が話せたらよい、えらいというわけではないがこのように言語能力に富んだ学生に出会えたことが自分にとって良い意味でのカルチャーショックであった。

【生活面】

 今の自分の生活は良い面もあれば、非常に不便な面もある。良い面についてはまず、自分が住んでいる町、マーストリヒトが非常にきれいで、忙しすぎることもなく、人々も優しくとても心地良さを感じる。毎日片道30分ほどかけて自転車で通学しているが、橋から眺める景色は心を癒してくれる。自分が住んでいる寮の周辺はとても静かで、あまりお店はないが、近くにスーパーや雑貨店がいくつかあるので買い物には困らない。街に出ればデパートやマーケットもあり楽しい時間を過ごすことができる。

 次に、交通機関についてである。オランダは自転車大国と言われるくらいに交通手段として自転車が多く利用されている。自分が住んでいた長野市と比較すると、坂が全くないといっても過言でないくらい、どこに行くにも自転車での移動が可能である。それに加え、市内を多くのバスが運行している。朝も5時くらいから夜12時近くまで運行しているので非常に便利である。また、学校に行く途中に最寄りの駅もあり、ヨーロッパ内の行き来する主要バス停も市内にあるので非常に充実いていると感じる。

 最後に、買い物についてもそこまで物価が高いわけでもなく、街に行けばアジアンマーケットがあるので少し高くなってしまうが日本の調味料や食材を手に入れることが可能である。また、店員も全員英語を流暢に話すことができるため、困ったことは尋ねて助けを求めることもできる。

 反対に不便な面もいくつかある。一つ目に寮についてと、それに伴う学校までの通学についてである。自分は大学側から提案された二つの寮のうち、学校から遠く家賃が安い方を選択した。自転車で通学も可能だが、想像していたよりも距離があった。また、雨の日は最悪でバスがいい時間にないと雨の中カッパを着て自転車で向かうが、靴はどうしても濡れてしまう。寮については自分の階は比較的日本人留学生が多く、困った時には助け合えるが、留学の生活としては少し多すぎるかなと感じる。寮生活の中で一番驚いたのは、担当者・担当会社の適当さである。自分が到着し部屋案内をされた時も日本では考えられないくらい適当であっという間に説明が終わってしまった。また、部屋の電気が切れたり、キッチンのシンクが詰まったりした時に連絡をしても返信はくるが、ぜんぜん修理にやってこないことがある。日本では考えられないので非常にカルチャーショックであった。

 二つ目に自分の寮の近くに夜遅くまで空いているお店がないことである。日本の多くのスーパーやコンビニは24時間営業であったり、夜10期、11時まで空いていたりするお店がたくさんある。その生活に慣れてしまっているため、夜にお酒を買いに行こう、夜遅くに帰る帰り道にどこかによってデザートを買っていこうと思っても全てのお店が閉まっていて非常に不便さを感じてしまう。近くのお店は早いところで6時、遅くても9時、10時には閉まってしまう。これは働き方の違いであるがカルチャーショックであった。

【その他】

 その他の共有できることは、まず、自分は地元のサッカークラブに所属しオランダでもサッカーをしている。週に二回ほど練習があり、週末に試合が行われる。チームメイトは他の大学から来ている選手が多かったため最初のうちは打ち解けるのに苦労したが、今は輪の中に入ることができ楽しい時間を共有できていると思う。しかし、サッカーにおいてもカルチャーショックを感じる場面がいくつもあった。例を挙げると、特にヨーロッパは世界的にみてもサッカーが人気なため、全員というほどサッカーを愛している。自分が所属している地元のチームでさえも、男子で5チーム、女子で2チームある。特に女子選手が多いことに驚いた。その他にも日本ほど集団社会でないため個人の都合で休む選手がいることや、アグレッシブさが日本の数倍くらいあることにカルチャーショックを感じた。

 次に旅行についてである。オランダはEU圏内であり、地理的にも非常によい位置にあるため旅行がしやすいのが魅力である。飛行機も時期によってはLCCで1000円台から出ていたり、バスもとても安かったりするため様々なところに行くことができる。放課後に他の国に行って帰ってくることができると考えると、日本での生活から考えると怖い話である。しかしそのくらい旅行がしやすく、各地で貴重な体験をすることができ、文化の違いを肌で感じることができる。

 今回は第一回ということで勉強面と生活面に焦点をあて、留学報告を作成した。次回の報告では別の視点から留学便りを作成したいと思う。