Learn from Experience & Letter
経験者から学ぶ&交換留学派遣生からの便り

大内 瑠寧

アメリカ

ことばにならない経験を追い求めて

大内 瑠寧さん

教育学研究科 学校教育専攻
留学期間:2019年9月 ~ 2020年3月
留学先:南オレゴン大学

留学先大学について

 私は、アメリカ合衆国のオレゴン州にある、南オレゴン大学 (Southern Oregon University: SOU) という大学に留学していました。大学はアシュランドという町にあり、自然が豊かで、のどかで、住むのにはとても心地良い場所でした。大学の施設もとても充実していています。図書館には自習スペースがたくさんあり、いつも多くの学生が勉強しています。カフェが併設されているので、何か飲みながら勉強することもできます。また、学生なら無料で使えるジムがあり、友達とバスケットボールやバレーボールをしたり、マシンを使ったウェイトトレーニングをすることもできます。ジムの中で一番驚いたのは、クライミング施設があることです。ボルダリングや命綱を付けて本格的なロッククライミングをすることもできます。キャンパス内なら基本的に学内ネットワークに接続できるので、インターネットの利用にも困りませんでした。様々な施設が充実していて、とても良い環境で留学することができたと思います。 

学習面について

 全て英語での授業、全て英語での課題に慣れるまではやはりとても大変でした。特に授業中は先生や周りの学生が話していることがあまり理解できないまま反応を求められたりして、冷や汗をかくことも多かった気がします。でもその分、出される課題は時間をかけて自分が納得いくまで取り組むように心がけたので、毎週あるライティングの課題を通して自分の考えを表現することができたと思います。どの授業を取るのかによりますが、概して課題の量は多かったです(アメリカ人の友達は私の5分の1くらいの時間で終えていましたが...)。毎日夜中まで課題に追われる日々もありました。それでも友達と一緒に楽しみながら、助け合いながら勉強していたので、どんなに課題が大変でも乗り越えることができたと思います。授業中は聞いて理解し、自分の考えを話すことを求められますし、その大切さはもちろん感じていますが、学習という面において読むことと書くことがいかに重要であるかを実感しました。留学に出発する前にアカデミックな領域のリーディングとライティングの力を高めておくと、留学中の学習がよりよいものになると思います。

生活について

 私は大学の寮に住んでいました。寮には4つの種類があり、それぞれ建物が異なります。一つの寮の中でもさらに部屋のタイプが分かれていて、シングルやダブルなどがあります。私は2人部屋に住んでいたので、ルームメイトがいました。寮に住むと、大学が提供するミールプランに入らなければならず、基本的に毎日の食事は大学のカフェテリアでした。ビュッフェ形式になっていて、自分で好きなものを好きなだけ食べることができます。寮やミールプランにかかる費用は正直とても高いですが、それでも寮で友達と多くの時間を楽しく過ごすことができたので、私は寮に住むことを選んで良かったと思います。留学生の多くは International Student Association (ISA) というクラブに入って、定期的に集まって交流をしたり、週末に車で小さな trip に行ったりします。私もこのクラブに入っていたので、留学生同士仲良くなれたり、様々な体験をしたりすることができました。

留学で得たこと

 留学前に立てた目標は、英語力の向上と、たくさんの人に出会い、新たな考え方に触れ、自分自身の価値観や考え方を更新することでした。私は英語教師になることを目指していて、この留学を通して英語ということばで人とつながり、新しいことを学んだという経験は、今後の英語教師としての私を形づくる上でとても貴重なものになりました。留学を通して、本当にたくさんの人に出会いました。日本から来た留学生、他の国から来た留学生、南オレゴン大学の学生、冬休みにお世話になったホストファミリーなど、たくさんの人との出会いがあったおかげで、「留学して良かった」と心から思えます。留学で何を得たかを全てことばにすることはできないし、ことばにならない経験をしたとも思っています。全く新しい環境に飛び込んだということそれ自体にまず価値があり、この半年間の留学経験が私の人生を少しでも豊かにしてくれたと信じています。

後輩へのアドバイス、信州大学へのメッセージ等

 私の留学体験レポートを読んでくださり、ありがとうございます。何かしらの形で少しでもこれから留学を行くことを目指している方の参考になれば幸いです。自分の経験を振り返ろうとするとき、うまくことばで表し切れない何かを感じることが誰しもあると思います。私はそのようなことばにならない経験こそ大切であり、その経験とはどんなもので、自分にとってどんな意味があるのかを考え、探し続けることが大事だと思っています。これから留学にいく方には、「ことばにならない経験」と意識的に向き合ってみることをぜひ大切にしてほしいと思います。

交換留学へ申請する段階から帰国するまで、本当にたくさんの方の支えがあり、私の留学が実現できたということを感じています。信州大学の国際企画課の方々、指導教員の先生方、南オレゴン大学の留学担当の方々、日本学生支援機構、家族、友人、いろんな方々に応援してもらって留学できたことに本当に感謝しています。ありがとうございました。