信州多聞塾
第4回「第2代 信州多聞塾」を開催しました
第4回「第2代信州多聞塾」を開催しました。プログラム生が研究分野を超えて交流し、自身の能力向上とキャリアパス拡大を図る行事です。
日程
2026年2月19日~20日 信州大学 国際科学イノベーションセンター
参加者
・SPRING選抜学生、BOOST選抜学生、教職員(担当幹事:柳瀬亮太 工学部准教授、高坂泰弘 繊維学部教授)
・講師:民間企業において活躍されている本学大学院の修了生としてお二方を招聘。及び研究プロジェクト申請に優れた実績を有する本学教員を講師として実施。
・花王株式会社 上席執行役員 株式会社カネボウ化粧品 代表取締役社長 内山 智子 氏
・株式会社NTTアーバンソリューションズ総合研究所 上席研究員 上田 里絵 氏
・本学繊維学部化学・材料学科 高坂 泰弘 教授
プログラムレポート
本プロジェクトでは、自身の専門研究の推進を支援するとともに、研究を通じて身に付けた力と成果を活用して社会で活躍できる博士人材の育成を目的として「信州多聞塾」を実施しています。
今回は「越境する博士」をテーマに、本学大学院で研究し修了された先輩方をお招きしてご講演いただきました。先輩方が大学院で取り組んだ研究や活動が、社会においてどのように活かされているのか、キャリア形成の過程で直面した困難をどのように乗り越えてきたのかを学びました。講演内容をもとにグループワーク及びディスカッションを行い、各自のキャリアについて考え、視野を拡げる機会となりました。2日目には自身の研究を社会実装するために必要となる、研究計画の立案と研究費獲得のための申請書添削講座を実施しました。
1日目:講演及びグループワーク
(1)社会でご活躍されている先輩方の講演
内山 智子氏(花王株式会社 上席執行役員 株式会社カネボウ化粧品 代表取締役社長)上田 里絵 氏(株式会社NTTアーバンソリューションズ総合研究所 上席研究員)
内山様からは、理系の大学院出身の人材が自分の専門性を生かしたうえで活躍するために、研究を通じて身に付けたスキルの役立て方は一つではないこと、また会社におけるキャリアパスは多様であることについて、ご自身が携わったプロジェクトや経歴の具体的なエピソードに寄せてご講演いただきました。学生へのメッセージとして、博士学生が研究を通じて培ってきた力は社会を前進させる原動力になることの激励をいただきました。
上田様からは、博士取得も含めた研究と仕事とワークライフバランスのモチベーションについて、ご自身のキャリアパスに沿って紹介いただきました。技術者として環境を軸としたまちづくりに取り組んでおり、都市緑化事業のエピソードにおける異分野との連携と交流がチャンスを創出したことのお話しは、まさに信州多聞塾の狙いに合致するものです。博士課程で実践している課題解決能力は応用が効くため、広く社会で活躍できることの激励をいただきました。
刺激を受けた学生から多くの質問があり、キャリアに関する視野の広がりにつながったことが伺えました。またお二方とも本学におけるご自身の思い出にも触れられ、参加者は現在の学生生活が貴重な時間であることもあらためて認識しました。
(2)グループワーク
お二方の講演を踏まえて、自分の強みを活かした学際的な研究について考えるグループワークを実施しました。予め事前課題として共有した自分の研究分野と強みに基づきディスカッションを行うものです。医療・宇宙・農業・地質など、多分野・異分野の研究のマッチングについて発表があり、まさに本プロジェクトの目的である「イノベーション(新結合)」創出につながるものとなりました。
講師の方からも、本学ならではの学問の多様性が活かされていること、自分の専門に他の視点が加わると違う結果が生まれること、企業の視点による発想が見られること等のコメント・助言をいただきました。この後に開催された情報交換会でも、学生は講師の方を囲んで質問や懇談をしていました。
2日目:研究費申請書添削講義等
(1)研究費申請書のリアルタイム添削指導
2日目は高坂教授による、研究に必要な資金を獲得するための「研究費申請書のリアルタイム添削指導」を行いました。講義では塾生2名の実際のJSPS特別研究員(DC)申請書を教材とした実践的な添削講義を行いました。講義では「他者が読んだときにわかる文章」を書くための解説があり、研究費の申請のほかにも活用できる汎用的な技術を学ぶことができました。また申請書作成における生成AIの活用方法と注意点についても解説しました。
(2)学生挨拶
閉会式ではこの3月でプログラムを終了する学生から挨拶があり、それぞれ自身の博士課程の振り返りと今後の抱負、後輩へのメッセージと支援に対する謝辞を述べました。
閉会では今回の信州多聞塾の主担当幹事の柳瀬准教授と高坂教授から塾生へのメッセージと激励がありました。あらためて本プロジェクトの意義の説明と、選抜学生の使命について自覚することの必要性が強調され、塾生は認識をあらたにしていました。
今後も信州大学では本事業をはじめ、次世代のイノベーション創出ができる博士人材の育成と支援に取り組む所存です。