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髙坂 泰弘 准教授ら、酢酸水で分解する変性アクリル樹脂を開発:「ドミノ倒し」の原理が鍵

2024.07.31


 信州大学学術研究院繊維学系・高坂 泰弘 准教授(Rising Star教員,JSTさきがけ研究者)らは,有機合成化学の分野で用いられる「ドミノ反応」の概念に着目しました.ドミノ反応とは,第1の化学反応に連動して,第2の化学反応が誘発される現象です.本研究では,切断対象となる2単位の手前に,分解開始点となる1単位を配置し,ドミノ反応によって分解を誘導する戦略を考えました(図2C).1由来の単位に含まれるTMS基(トリメチルシリル基)をフッ化物イオンや酢酸水溶液で除去すると(図2C;2~3段目),隣接する2単位のエステル基が直ちに攻撃され,主骨格が切断しました.従来法(図1B)と比べて,本研究の手法では穏和な条件下で,短時間での分解が実現しました.
 本研究成果は、2024年7月26日(現地時間)にアメリカ化学会発行のACS Macro Lettersに掲載されました。


▼ 図1 開発した変性アクリル樹脂の合成・分解に関する化学反応式



 なお、 詳細はプレスリリースをご覧ください。

(論文情報)
論文題目:Fast and Selective Main-Chain Scission of Vinyl Polymers using the Domino Reaction in the Alternating Sequence for Trans-esterification
著者:Yasuhiro Kohsaka, Kaho Toyama, Moe Kawauchi, Koki Naganuma
掲載誌:ACS Macro Letters(アメリカ化学会発行)
DOI:10.1021/acsmacrolett.4c00295
URL:https://doi.org/10.1021/acsmacrolett.4c00295

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