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鈴木 大介 准教授ら、ナノプラスチック一粒の分解挙動を高解像度に観察することに成功

2023.06.12


信州大学繊維学部化学・材料学科/先鋭材料研究所の鈴木 大介 准教授と名古屋大学大学院理学研究科の内橋 貴之 教授らの共同研究グループは、一粒のナノプラスチックが分解する様子をリアルタイムで高解像度に観察することに成功しました。
生態系への悪影響が危惧されるものの、社会問題となるマイクロスケール(1マイクロメートルは、100万分の1メートル)のマイクロプラスチックより、より小さなナノスケール(1ナノメートルは、10億分の1メートル)のナノプラスチックを海中から回収することは非常に困難であるため、どのように生成し、その後、分解し、生態系に悪影響を及ぼすかについては謎に包まれたままでした。そのような中、本研究では、温度によって状態(形、性質など)を自在に調節できるナノプラスチック(温度応答性高分子ゲル微粒子)をモデルとして設計し、最先端の顕微鏡である高速原子間力顕微鏡を用いることで、ナノプラスチック一粒が分解する様子をリアルタイムで高解像度に観察することに成功しました。その結果、ナノプラスチックの状態の違いによって、分解する様子が全く異なることを突き止めました。本研究成果は、ナノプラスチックの分解を明らかにするための評価手法の開発や、ナノプラスチックの分解を自在に制御するために必要な新たな循環型プラスチックの設計指針の構築に繋がる重要な知見になると期待されます。
本成果は英国化学会 Soft Matter誌へ2023年5月26日(日本時間)に掲載されました。
詳細はプレスリリースをご覧ください。

(論文情報)
論文タイトル: Single microgel degradation governed by heterogeneous nanostructures
雑誌名: Soft Matter
著者: Yuichiro Nishizawa, Hiroki Yokoi, Takayuki Uchihashi*, Daisuke Suzuki*
DOI: 10.1039/D3SM00216K


高速原子間力顕微鏡の観察結果。含水量の違いにより、ナノプラスチックの分解する様子が全く異なることが判明
(左)高含水量ナノプラスチック (右)低含水量ナノプラスチック


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