お知らせ
エレクトロスピニングによる「多機能ナノファイバー量産システム」の商業化開始
2011.03.09
信州大学繊維学部は、平成22年12月17日に韓国の自動化設備メーカーTOPTEC社と研究協力の覚書(MOU)を締結しました。
TOPTEC社は、同日、エレクトロスピニング紡糸システムを完全自動化した、世界初の「多機能ナノファイバー量産システム」の開発成功を発表しています。
このシステムは、信州大学繊維学部の金研究室との共同研究によって開発したものです。
この快挙について、繊維社刊「加工技術」2011年3月号で詳しく紹介されていますので、繊維社様のご厚意により一部引用させていただきます。
「加工技術」Vol.46 No.3(2011年3月号)より
○韓国の自動化設備メーカーの雄TOPTEC社は、エレクトロスピニング紡糸システム全工程を完全自動化した、世界初の「多機能ナノファイバー量産システム」の開発に成功、2010年12月17日、韓国ソウルの高層63ビルで開発成功発表会・祝賀会を開催した。
当日は、世界各国から政府要人をはじめ研究者、ナノファイバー関連企業など約300名が招待され、盛大に催された。
日本からは、本システム開発に当初から技術的支援を行ってきた信州大学繊維学部ナノフュージョンテクノロジー研究グループの金 翼水准教授はじめ、信州大学繊維学部 濱田州博学部長、平井利博教授,富山県工業技術センター榎本祐嗣所長ら約20名が招待され臨席した。
祝宴後に、日本の一行はTOPTEC本社に招かれ、世界で初めて本システム稼働状況を見学した。
エレクトロスピニング量産ラインは、機械幅2.2m、全長21.6m、生産速度0.5~50m/minという従来にない、想像を超えたスケールとなっている。
○(濱田学部長 祝辞要旨)
信州大学繊維学部は創立100周年となり、これまで培ったさまざまな技術をナノファイバー開発に活用し、今後ともファイバー工学の世界における中心拠点として歩んでいく。
そのため,現在建設中のファイバーイノベーション・インキュベーター(Fii)施設を積極的に運用していく。
今回完成したエレクトロスピニングによる「多機能ナノファイバー量産システム」は、このFii施設にも導入し、施設内のパイロットファクトリーの中核となるシステムである。
TOPTEC社と信州大学繊維学部が連携を強化しながら、ナノファイバーの開発・発展に寄与していくことを期待している。
- 信州大学繊維学部とTOPTEC社、研究協力の覚書締結
- 大勢の取材陣(ナノファイバーの透湿防水を示す展示品前で)