高性能繊維の製造技術に関して研究しています
- 教員氏名
- 金 慶孝
- 職名
- 教授
- 所属
- 先進繊維・感性工学科 先進繊維工学コース
- 研究分野
繊維工学、紡糸工学、繊維構造形成の制御
- 研究課題
(1) 複合紡糸による繊維構造形成過程の解析と複合繊維の応用に関する研究
- ナノファイバーフィラメントの生産及びナノファイバーの高強度化が期待される
(2) 低密度繊維の製造
- 紡糸より簡単な延伸工程での中空繊維製造
(3) レーザー延伸における繊維の微細構造制御による高強度化
- 結晶型の違さによる分子鎖のコンフォメーションに着目
- SOAR
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一言コメント | 合成繊維の製造方法において、最も基礎となるプロセスが紡糸および延伸工程です。本研究室では、複合繊維用紡糸機を利用して、様々な複合繊維を製造し、また紡糸線上および延伸過程中において複合繊維の繊維構造形成過程を究明するための研究を進めています。 |
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研究紹介
繊維構造形成過程の制御によるHigh Performance合成繊維の製造
合成繊維の製造方法において、最も基礎となるプロセスが紡糸および延伸工程です。本研究室では、複合繊維用紡糸機を利用して、芯鞘型複合繊維、海島繊維などの様々な複合繊維を製造し、また紡糸線上および延伸過程中において複合繊維の繊維構造形成過程を究明して、繊維の使える分野を医療、交通などに広げることを目指して研究を進めています。これまでの研究によって、合成繊維の基本単位は直径数nmの"ミクロフィブリル"であることが知られています。したがって、複合繊維内部に存在する繊維の直径がこのサイズに近くなると、繊維構造形成過程に大きな変化が起き、結果として通常の繊維では得られない高性能な繊維が得られる可能性があります。このような研究は大きな産業応用が見通せる創造的な研究開発になると考えて研究を進めています。
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自動車用タイヤに使える高強度繊維 (左)、レーザー伸延中の繊維内部に多くのボイドが作られた多中空繊維の電子顕微鏡写真 (中)、一本の繊維の中に千本の島成分がある複合繊維の電子顕微鏡写真 (右)。 |
≪研究から広がる未来≫
繊維構造形成過程を究明する研究によって構造が制御できれば、高性能タイヤ補強材や高強度フィルタ-用中空糸など産業用材料として繊維の使える分野をさらに広げられます。また、海島繊維を利用した研究では、世界で初めてのナノファイバーフィラメント繊維の生産可能性を確認しており、ナノファイバーの適用分野拡大を目指します。そして、研究成果を実際の製品や知的財産権に結びつけます。