未来社会を切り拓くマテリアルサイエンス
- 教員氏名
- 佐野 航季
- 職名
- 助教
- 所属
- 化学・材料学科
- 研究分野
機能性ソフトマテリアル、生体模倣システム、ナノ材料
- 研究課題
(1) ナノ材料の自己組織化を基軸とする機能性ソフトマテリアルの創製
(2) 生体のように時空間的に制御された動的システムの開発と応用
- 出身校
- 東京大学
- SOAR
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一言コメント | マテリアルサイエンスは異分野融合領域であり、様々な知識・技術を習得・活用することが重要です。私たちは、コロイド化学・高分子化学・超分子化学的な考え方や技術を駆使することによって、新しいマテリアルの設計・開発を行っています。自由な発想を持って、楽しくワクワクするような研究を行いたいと考えています。 |
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研究紹介
ナノ・メソ・マクロスケールに渡る一貫した材料設計と機能実現
生体では、たんぱく質などのナノビルディングブロックが、精緻な階層構造を形成し協働することで高度な機能を実現しています。私たちは「このような洗練されたシステムを人工系で構築し、革新的機能へと繋げること」を目標として研究に取り組んでいます。具体的には、両親媒性分子、液晶性分子、イオン液体、機能性高分子、無機ナノ材料(左図)などの多様なマテリアルをビルディングブロックとして利用し、これらの間に働く相互作用を精密に制御することで、複雑な階層構造の構築と生体機能をも凌駕する革新的機能の実現を目指しています。今までに、水に分散した無機ナノシートの間に働く静電斥力を制御することによって「構造色を自在に変化させる、熱帯魚のような動的フォトニック結晶(右図)」、「世界最大の力学的異方性を示す、関節軟骨のような異方性ハイドロゲル」、「高速かつ可逆的に力学物性を変化させる、ナマコのようなハイドロゲル」、「時空間的な秩序を有する、繊毛運動のようなナノシートの進行波」など、生き物のような秩序構造と高度な機能を持つ様々なソフトマテリアルの実現に成功しています。
様々な次元性を持つ無機ナノ材料 | 無機ナノシートの配列により構造色を示す水 |
≪研究から広がる未来≫
研究活動においては、1つの斬新なアイデアが世界中の研究者に影響を与え、数十年後の世界を変えることができます。このような信念のもと、私たちは「未来社会の発展に貢献する次世代機能性マテリアル」や「持続可能な社会の実現に向けた環境低負荷型マテリアル」の開発を目指しており、基礎科学・産業応用の両面にわたって破壊的イノベーションを起こしたいと考えています。