研究内容の紹介- パワエレグループ
パワーエレクトロニクスは電力用半導体素子と受動素子を用いて電気機器の制御や電力の供給を行う技術であり,電力社会には不可欠な技術です。近年,Si半導体の特性を大きく上回るSiC(シリコンカーバイド), GaN(ガリウムナイトライド)半導体が開発され,パワーエレクトロニクスを取り巻く環境は大きな変革期を迎えております。
当研究室では,SiC,GaN半導体の特性を活かすために磁気部品の小型・高効率化を実現する研究開発を進めております。
高周波駆動電力変換装置に用いる磁気部品の小型・低損失化の検討
電気機器への電力供給を担う電力変換装置には小型化・高効率化の強い要求があります。近年では,SiC, GaN半導体の登場により,駆動周波数を大幅に高めることが求められています。そのなかで,インダクタ・トランスなどの磁気部品で生じる損失がボトルネックとなっています。
当研究室では,磁気部品の損失低減の検討を図るために,導線の周囲に磁性体を配置することで,表皮・近接効果を引き起こす磁束を誘導し,損失の低減を目指しています。
電力変換装置用インダクタ・トランスの設計・試作を行い,各種コンバータに組み込むことで,小型・高効率化を目指しています。
[1] "Application of Magnetic Composite Materials in Windings to Reduce Alternating Current Resistance in Leakage Transformers", Kazuhiro Shimura, Shigeki Kobayashi, Mitsuhide Sato, Tsutomu Mizuno, IEEE Transactions on Magnetics, 59(11(8401806)), 1-6, 2023
[2] "Reduction of Alternating-Current Resistance and Heat Generation of Spiral Inductors with Magnetic Sealing Technique", Kazuhiro Shimura, Takanori Kanaya, Syuichi Hoshina, Shigeki Kobayashi, Mitsuhide Sato, Makoto Sonehara, Toshiro Sato, Tsutomu Mizuno, IEEJ Transactions on Electrical and Electronic Engineering, 18(9), 1533-1543, 2023
変圧器の軽量化・低損失化の検討
鉄道車両では,架線からの交流電力を整流回路,インバータ,トランスを利用して車両設備に給電しています。補助電源システムの中で変圧器は大きな体積・質量を占めており,軽量化の強いニーズがあります。
巻線の占積率を上げるために平角線を利用すると,高周波駆動した場合に隣接巻線に磁束が鎖交して交流銅損の増加が問題となります。
当研究室では,鉄損の低い磁性テープを開発しており,導線の周囲に配置することで磁束を迂回させ,交流銅損の低減を目指す研究を進めています。
[1] "Reduction of AC Copper Loss in High-frequency Transformer for Railway Using Magnetic Tape", Kazuhiro Shimura, Kazuma Kubota, Mitsuhide Sato, Tsutomu Mizuno, Norio Koike, Masayuki Sakurada, Takao Nebashi, IEEE Transactions on Magnetics, vol.57, no.11, pp. 1-7, 2021


