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本校の教育について

1.本校の使命

 本校は国立大学法人信州大学教育学部の附属小学校であり、義務教育学校に課せられている共通なねらいを果たしていることはいうまでもないが、これに加えて、附属学校として長い伝統をもち、特別な任務を帯びている。以下の3点は本校の特色と使命である。

 1 教育学部生の教育実習を指導し、次代をになう教育者の育成につとめる。
 2 小学校の諸般の教育活動について、その実際や理論について研究する。
 3 授業を通して研究を公開し、地域の教育の向上発展に寄与する。

2.教育方針

 1 学校目標

共に在る

「児童の教育は,児童にたちかえり児童によって児童のうちに建設されなくてはならない。そとからではない,うちからである。児童のうちから構成さるべきものである。」(途上:淀川茂重)大正期に創設された研究学級の総合学習の実践は,ジョン・デューイ(John・Dewey)の教育思想を背景にLearning by doing の方法原理のもと,学びの真実への探求がすすめられた。この「内から育てる」《総合》の教育理念は時代を超えて本校の教育活動の礎として受け継がれてきた。その具現に向けた学習は,学びの主体者としての子どもの《おもい》や《くらし》に軸を置き,専心と連続の中で,子ども自ら生活を創造しながら自己を高めていく学習といえる。このような学習(くらし)の創造を通して,多様且つ複雑に変化する正解なき社会の中で,よりよく生きようとする心根や生涯にわたって学び続ける《からだ》を育みたいと考える。またこの理念の根底にあるものは人間愛と共生の心であり,子どもの学びを支援する教師もまた,同じ岸に立ち共に朝陽を臨むが如く,「もの・ひと・こと」との出会いと感動の中で,自らに問い続け,子どもと共に学び合う探究者でありたいと考える。このような本校の歴史的な歩みと来たる未来を鑑み,ここに学校目標を『 共に在る 』と定める。

この目標はあるべき姿を限定するものではなく,子どもと教師が創造するすべての教育活動の根底にある思想を示すものである。この思想に基づき,人間愛でつながる「共に生きる」世界の中で,未来にひらく個性際立つ豊かな学びの創造を願うものである。

(平成28年3月草案作成・同年5月1日制定)

 2 学校運営の重点

(1) ひらかれた学校づくり

 子どもたちが,各教科等で学んだことを総合的に活用し,地域や家庭など実生活や実社会で生きて 働く汎用的な力に高めていくこと。また,本校の教育理念や3つの役割(①教育実習指導を通した, 次世代を担う教育者の育成②教育活動全般を通した,教育理論と実践研究の探究③公開授業,地域連 携学習を通した地域社会の教育力向上発展)について,日々の子どもの学びや育ちの姿を発信しながら,子どもを育てるパートナーとしての信頼関係を学校・家庭・地域で築いていきたい。

(2) 省察的な教育実践研究に打ち込む学校づくり

 時代の流れにとらわれず,教育の理想を求め続けた研究学級の精神を礎に,今教育現場が抱える問 題を鑑みながら,子どもと共に学びを創る実践者として,教師自身が互いの実践をふり返ることを通 して,謙虚に,しかし自負を持って日々の授業に取り組めることを大切にしたい。このことは,実践 的省察を手がかりにした日々の授業研修の場を活用し,活気と意志のある学校づくりでもある。