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山岳科学総合研究所の江田慧子助教が日本鱗翅学会大会において優秀発表賞を受賞

13年12月02日

  平成25年11月9~10日に大阪府立大学で行われた第60回日本鱗翅学会大会において、山岳科学総合研究所地域環境共生学部門の江田慧子助教が優秀発表賞を受賞しました。
  発表題目は「長野県におけるクロコノマチョウの分布拡大に関する研究」です。クロコノマチョウは温暖化の影響で北上していると言われており、分布の最前線が長野県の南信地方にあります。そこで、クロコノマチョウの分布調査と、卵から様々な温度で飼育をする室内実験を行いました。その結果、分布は拡大しているものの、年次によって発見個体数や分布北限の変動が激しいことが分かりました。さらに室内実験から、幼虫は15℃と30℃ではほとんど生存できずに死亡してしまうことが分かりました。特に30℃では、幼虫が高温で動き回ってしまい、集合が形成できませんでした。よって、幼虫の集合形成はクロコノマチョウの分布拡大にとって、重要な要因となることがはじめて分かったのです。
  日本鱗翅学会は今年から30歳以下の若手に対する発表賞を設けることになり、江田助教ははじめての受賞となりました。

発表する江田助教

発表する江田助教

江田助教と日本鱗翅学会 石井会長

江田助教と日本鱗翅学会 石井会長

飼育で羽化した成虫

飼育で羽化した成虫

集合する幼虫

集合する幼虫