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日本学術会議中部地区会議学術講演会を開催

13年07月17日

冒頭挨拶 信州大学長 山沢清人

冒頭挨拶 信州大学長 山沢清人

平成25年7月12日、信州大学松本キャンパス理学部C棟2階大会議室にて、日本学術会議中部地区会議学術講演会(主催:日本学術会議中部地区会議 共催:信州大学 後援:信濃毎日新聞社)が開催され約70名の方が聴講されました。日本学術会議では、学術の成果を国民に還元するための活動として、公開講演会を開催しています。今回は「応用を拓く基礎科学の新展開~化学と医学の分野から」と題し、3人の研究者による講演を行いました。

 

講演の第一部は「科学者の活動と社会」と題して、日本学術会議会長の大西隆(慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科特別招聘教授)講師による講演が行われ、日本学術会議の役割と活動、政府との関係等についての紹介があり、最近は東日本大震災の復興支援や国際活動に力を入れているとの説明がありました。また、地球環境の危険な変化や持続可能な社会づくりについての、全世界的な取組「Future Earth」への参加について紹介がありました。

 

続いて第二部は「低分子化合物によるゲル化機構の解明とゲル化剤の開発に関する研究」と題して英謙二(信州大学大学院総合工学系研究科生命機能・ファイバー工学専攻ファイバー機能工学講座 教授)講師による講演が行われ、結晶化とゲル化の違いや、天ぷら油を固める粉末のような、身近なゲル化剤の実用化の例を挙げながらゲル化剤についての基本知識の説明がありました。その後、ご自身の研究テーマである「アミノ酸誘導体のゲル化剤」について解説いただき、化粧品や布に塗布しても滲まないインクジェットプリンタへの応用等の紹介がありました。

 

講演の第三部は、「流れ刺激による肺の炭酸ガス排出機構における新しい概念」と題し、河合佳子(信州大学医学部器官制御生理学講座 准教授)講師が、今まで常識とされてきた「肺胞で赤血球を介して二酸化炭素を排出する」という呼吸の概念について、赤血球を介しない別の排出方法について発表しました。培養した細胞での実験や動物生体を使った実験で検証し、この新たな概念が正しいことを裏付けると思われる結果も得られており、今後引き続き実証実験を重ねて検証していく、として講演を終了しました。

冒頭挨拶 中部地区会議代表幹事 巽 和行 氏

冒頭挨拶 中部地区会議代表幹事 巽 和行 氏

日本学術会議会長 大西 隆 氏による講演

日本学術会議会長 大西 隆 氏による講演

信州大学大学院総合工学系研究科 英 謙二 教授による講演

信州大学大学院総合工学系研究科 英 謙二 教授による講演

信州大学医学部 河合 佳子 准教授による講演

信州大学医学部 河合 佳子 准教授による講演