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教育学部で1人だけの卒業式・学位記授与式

13年03月31日

学位記授与式の様子<br>(左から)修了生の陳旖斐さん、山沢清人学長、指導教員の松岡英子教授、平野吉直教育学部長

学位記授与式の様子
(左から)修了生の陳旖斐さん、山沢清人学長、指導教員の松岡英子教授、平野吉直教育学部長

交通事故で負傷し、卒業式に参加できなかった上海出身の留学生、陳旖斐(チン・イヒ)さん(信州大学大学院教育学研究科2年生)の卒業式・学位記授与式が3月28日、教育学部の学部長室にて執り行われました。

 

平成25年3月22日未明、大阪での就職活動を終え、長野へ帰るバスに乗っていた陳さんは、高速道路上での事故に巻き込まれました。死者1名、負傷者30名以上の大事故で、陳さん自身も怪我を負い病院に搬送されました。

 

本来であれば朝には寮に帰り、その日に開催されるご自身の卒業式に出席する予定でしたが、事故の負傷で安静を余儀なくされ、結局、卒業式に参加することはできませんでした。

 

このため陳さんの怪我の回復をみて、3月吉日、山沢清人学長が長野(教育)キャンパスへ足を運び、陳さんの卒業式・学位記授与式を行いました。少人数でありながら厳かな雰囲気で始まった学位記授与式では、学位記の文面を読み上げた山沢学長が、陳さんに学位記を手渡し、怪我の具合を気遣いながら「卒業おめでとうございます。上海にも信州大学の同窓会があり、これからも日中の架け橋となるよう頑張って欲しい」と激励の言葉をかけました。

 

卒業式を無事終えた陳さんは、「事故当時は生きていて本当に良かったと思いましたが、やはり卒業式に出席できなかったのはとても残念でした。でも、今日は山沢学長から学位記を授与していただき、無事に卒業できました。本当に嬉しいです」と喜びと安堵の表情で話しました。

 

もともと日本のファッションや文化に興味があったという陳さんは、上海海事大学で4年間日本語を勉強。その後上海の日系企業に就職しましたが、日本への留学を決意、2011年に信州大学大学院教育学研究科に入学し、松岡英子教授のもと家族社会学を研究、今回無事に全課程を修了し卒業されました。4月からは上海に工場を持つ大阪のスポーツ用品メーカーに就職するということで、「今、中国と日本は外交上難しい状況にありますが、自分が率先して日中の架け橋となり、民間交流を通じて相互理解を深めたい」と社会人生活への意気込みを語ってくれました。

山沢学長(右)より学位記を受け取る陳さん

山沢学長(右)より学位記を受け取る陳さん

指導教員の松岡教授(左)と

指導教員の松岡教授(左)と