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JST・RISTEX採択 文理融合型研究プロジェクト「イノベーション政策に資する公共財としての水資源保全とエネルギー利用に関する研究」キックオフ!

12年10月22日

 (独)科学技術振興機構(JST)社会技術研究開発センター(RISTEX)の平成24 年度戦略的創造研究推進事業(社会技術研究開発)「科学技術イノベーション政策のための科学研究 開発プログラム」に採択された、信州大学の「イノベーション政策に資する公共財としての水資源保全とエネルギー利用に関する研究」のキックオフミーティングが、平成24 年10 月17 日、信州大学人文学部・経済学部・工学部・産学官連携推進本部などの関係者が松本キャンパスに集結し開催されました。
 同研究プロジェクトの目的は、水資源の保全とエネルギー源としての利活用、さらに水利マネジメントや新しい制度化などの社会システムの形成にあります。これまで本学では、水資源の豊富な長野県の環境を活かし、工学部を中心にナノ水力発電システムの開発と設置、地下水を利用した次世代ヒートポンプ空調システムの開発・実験などが行われてきました。しかし、これらの新技術を広く社会に導入するためには、河川等の地表水では水利権の壁が存在します。地下水ではそもそもルール自体が存在しないことから、導入のための基準づくりや制度の整備が必要です。さらに、より広い視点では、水資源の乱用や独占を防ぐために、水を利活用する地域の人々の意識づくり・ルールづくり等、総合的・包括的な「水法」の整備や社会的合意形成が求められている状況です。
 これらを踏まえ、本プロジェクトでは水を「公共財」と認識し、以下の3項目の研究を進めます。




1)    水の循環についての自然科学的知見を基盤にして、水の保全と高度利用を進めるための政策および制度形成を検討する。
2)    水利用技術を導入・実装する際の社会的手続きと導入方法を事例に則して検討し、その手法に沿って実装を進める。
3)    実際の導入を進める中で、自治体や地域社会との対話や利害調整と合意形成を進め、その過程で得られた知識等を社会技術として体系化する。




 これらを進める研究体制としては、社会科学研究グループ(人文学部・経済学部主体)、自然科学研究グループ(工学部主体)、マネジメントグループ(地域共同研究センター・産学官連携推進本部主体)の3つのグループが、まさに「文理融合型」で有機的に結ばれ推進することも同研究プロジェクトの特色となっています。
 同研究プロジェクトの代表、人文学部村山研一教授(産学官連携推進本部・地域ブランドオフィ ス分野長)は開会に先立ち、「文理融合型の研究がひとつのきっかけになり新しい成果が生まれることに期待する」とあいさつ、工学部から地下水冷暖房システム研究の藤縄克之教授、ナノ水力発電システム研究の池田敏彦特任教授らが、これまでの研究の概要や成果を紹介しました。
 研究は基礎的課題の把握から始まりますが、調査や社会実装にあたっては、長野県内の複数市町村と協力して進めていきます。その後、モデルケースにおける技術導入や社会法制度の実践的検討の段階を経て、全国に「水資源活用の信州発モデル」を提案していくことを目指しています。

信州大学人文学部・経済学部・工学部・産学官連携推進本部などの関係者が集結

信州大学人文学部・経済学部・工学部・産学官連携推進本部などの関係者が集結

開会であいさつする同プロジェクト代表の村山研一教授(人文学部)

開会であいさつする同プロジェクト代表の村山研一教授(人文学部)

地下水冷暖房システム研究の藤縄克之教授(工学部)

地下水冷暖房システム研究の藤縄克之教授(工学部)

ナノ水力発電システム研究の池田敏彦特任教授(工学部)

ナノ水力発電システム研究の池田敏彦特任教授(工学部)