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長野県坂城町で産学官共同のスマートコミュニティづくりスタート

12年09月05日

信州大学グリーンイノベーション研究支援事業のフィールドとして
長野県坂城町で産学官共同のスマートコミュニティづくりをスタート。

   信州大学地域共同研究センター(CRC)は平成24年8月31日、長野県埴科郡坂城町の産官とともに記者会見を開き、地域全体でエネルギーの効率利用を図り新たなライフスタイルの創出を目指すスマートコミュニティづくりに向けて、10月より共同して実証実験に着手することを明らかにしました。
   手始めに電力消費量の大きな同町内の2企業にスマートメーター(次世代電力)を設置し、2013年までの2年間、電力の需給状況などのデータを収集します。スマートメーターの設置場所は順次拡大し、将来的には、町全体のエネルギーの需給状況を管理するエネルギーマネジメントセンターの設立にまでつなげていく予定です。
   信大では現在、企業と共同で精度や耐久性を高めたスマートメーターを開発製造中で、まもなく完成します。これを、今回協力していただく坂城町の㈱栗林製作所様と宮後工業㈱様の工場に合計して50~100台設置、工場の生産工程や生産スケジュールとの関連で、電力の需給状況を分析します。同時に、使用電力の削減・効率化の可能性を探ります。この取組みを、約250ヵ所の工場事業所を持つ坂城町内に広げ、町全体で使用電力の削減や、再生可能型新エネルギーの利用とも連携した新たなエネルギーシステムを構築しようという計画です。
   研究を中心で進める工学部の田中清教授は、「多数の変数を解析し、電力量・コスト・効率等複数の評価項目を設けて、電力使用の最適化を探る手法については、かなり高い水準にあると自負しています。これをひとつの地域ぐるみで実現して行くことは、グリーンイノベーションにとって大きなテーマだと思います」と話しています。
   信州大学では、昨年度よりグリーンイノベーション研究に力を入れており、その研究支援事業のフィールドとして、以前よりスマートコミュニティの取組みに力を入れている坂城町との連携のあり方を探っていましたが、この度、テクノ坂城工業団地をフィールドとして産学官の連携による研究推進の体制が構築され、その第一歩として実証研究が始まることになりました。
   記者会見には、前述2社の代表者をはじめ坂城町産業界の皆さん、山村弘坂城町長、信州大学からは田中教授のほか、三浦義正理事・副学長、天野良彦地域共同研究センター長らが参加。山村町長は「信大のグリーンイノベーション研究と共同して進める坂城町のスマートコミュニティ構想は、持続可能型社会にふさわしいライフスタイルを創出することにもつながる画期的なものだと思います」と、期待の大きさを語りました。

多くのマスコミが注目した記者会見

多くのマスコミが注目した記者会見

信大のグリーンイノベーション研究支援事業を説明する田中清教授

信大のグリーンイノベーション研究支援事業を説明する田中清教授