ホーム > トピックス一覧 >

トピックス詳細

トピックス

地域ブランド研究大会2012 in 安曇野「安曇野ブランドと安曇野景観を考える」を開催

12年03月20日

パネルディスカッションでは活発な意見交換が行われた


  信大人文学部に事務局を置く研究組織、地域ブランド研究会は平成24年3月10日午後、安曇野市の豊科交流学習センター「きぼう」で、研究大会を開催しました。信大人文学部と安曇野市との共同研究を基礎にして、安曇野の景観保全と景観形成、ならびに豊富な地下水の保全と活用について、信州・安曇野から議論の渦を巻き起こすことが目的でした。
  前半の研究報告では、信州大学人文学部の村山研一教授が「安曇野という地域名称と安曇野の地域イメージ」と題して、戦前に作られた、山岳・清流・荒野・村落の配置が大まかで雄大な安曇野のイメージをもとにして、1970年代に臼井吉見の小説「安曇野」によってイメージが結晶化してきた経緯を説明しました。
  他に、安曇野市ブランド推進室長の曽根原悦二さんら2人の方が報告しました。
  後半には「安曇野景観と安曇野の水を守る」をテーマにパネルディスカッションが行われ、安曇野市役所建築住宅課建築景観係の井口寿彦さんが、平成23年3月に制定した安曇野市景観計画について、「山岳と田園の良さを大切にし、暮らしやすさをみんなで共有できるまち」を実現することを趣旨としているなどと話題提供しました。
  これを受けて、関西学院大学の渡辺勉教授のコーディネートのもとで、関西学院大学の中野康人教授、地元で活動を行う安曇野案内人倶楽部の等々力秀和さん、(有)就一郎漬物本舗代表取締役の上条和男さん、信州大学人文学部の村山研一教授らがパネルディスカッションを行い活発に意見交換をしました。
  村山教授は、「日本における景観問題は1963年の鎌倉の鶴岡八幡宮の裏山開発が出発点。私有財の開発を規制する根拠は何かが議論を呼んだ。安曇野の景観や地下水の保全についても同じことが問題になっている」などと訴えました。
  安曇野市と人文学部とは平成17年よりにより包括的連携協定を結んでいます。
  今回のシンポジウムもその取組みの一環として行われたものです。歴史・文学・地域文化・方言など、多彩な内容の市民大学講座を年5回ほど開催しているほか、地域文化と風土、コミュニティと景観形成、地域ブランドと市民意識―などに関わる多くの受託研究を実施し、その報告会には多くの市民の方に参加していただいています。

研究報告をする村山研一人文学部教授

研究報告をする村山研一人文学部教授

会場には多くの地域住民の方々が集まった

会場には多くの地域住民の方々が集まった