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小・中学生を対象にした、星と宇宙の教室2011「小惑星探査プロジェクト」開講

11年12月07日

  平成23年12月3日伊那市創造館で信州大学大学院工学系研究科の中島厚教授による、星と宇宙の教室2011「小惑星探査プロジェクト」第1回目の講義が、伊那市の小・中学生を対象に始まりました。この講義は今年で2年目を迎え、伊那市創造館の体験学習プログラム「縄文から宇宙まで」の一環として年4回開催されています。この日参加した生徒達は中島教授の指導のもと、小惑星についての基礎知識を学び、中島教授が開発した小惑星・彗星探査ソフト「ステラハンタープロフェッショナル」の使い方を学びました。
  中島教授は、2006年11月に完成したJAXA入笠山光学観測所(長野県伊那市)で“デブリ”(宇宙ゴミ)を探査していましたが、高度な画像解析技術は同時に小惑星も発見できることから、地元の伊那北高等学校の課題研究活動への協力、伊那市の生涯学習プログラムへの協力を行ってきた経緯があります。施設で得たデータをもとに未発見の小惑星を探すプログラムで、昨年度は8個もの小惑星を発見しています。


中島教授が開発した小惑星・彗星探査ソフト「ステラハンタープロフェッショナル」の操作を学ぶ小・中学生。真剣そのものだ。

中島教授が開発した小惑星・彗星探査ソフト「ステラハンタープロフェッショナル」の操作を学ぶ小・中学生。真剣そのものでした。

信州大学大学院工学系研究科電気電子工学専攻モバイル制御講座の中島厚教授。

信州大学大学院工学系研究科電気電子工学専攻モバイル制御講座の中島厚教授。

第19回衛星設計コンテストジュニア部門奨励賞受賞の伊那北高等学校天文気象部の生徒たち


第19回衛星開発コンテストのジュニア部門奨励賞を受賞、(左から)伊那北高校天文気象部2年生の北原茉那美さん、高橋勇人君、林将太君

第19回衛星開発コンテストのジュニア部門奨励賞を受賞、(左から)伊那北高校天文気象部2年生の北原茉那美さん、高橋勇人君、林将太君


  4年前から中島教授が協力している伊那北高等学校課題研究活動では既に19個の小惑星を発見しており、2年前から伊那北高校天文気象部がこの活動を引き継いでいます。中島教授の指導もあり、(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)などが主催する第19回衛星設計コンテストのジュニア部門奨励賞を受賞しました。長野県内の高校では初めての快挙です。
  この日は伊那北高校2年生の北原茉那美さん、林将太君、高橋勇人君が「恩師」の講義協力ということで、顧問の中田教諭と共に教室に駆けつけてくれ、同賞受賞の、月で観測した画像情報などを地球に送る「月面情報局」プランや小惑星の発見の楽しさなどを語ってくれました。1年生の頃から継続的に観測を行う彼らも既に7個の小惑星を発見、これから申請を行うとのことです。「なんといってもJAXAの施設を利用でき、本格的に宇宙に学べる環境が整っていること、また中島先生のようなすばらしい研究者に直接専門的な指導をいただけることがなによりうれしい」と語りました。これからも天文気象部の後輩にしっかりそのDNAが受け継がれていくことと思います。