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8月30日「収縮型PVCゲルアクチュエータの開発と小型ブレーキへの応用」に関するプレスリリースを行いました(地域イノベーションクラスタープログラム)

10年09月09日

平成22年8月30日に「収縮型PVCゲルアクチュエータの開発と小型ブレーキへの応用」に関するプレスリリースを行いました。(地域イノベーションクラスタープログラム)

信州大学繊維学部と株式会社ハーモニック・ドライブ・システムが共同開発した「収縮型PVCゲルアクチュエータ」について、プレス発表を行いました。 

 

本開発は、地域イノベーションクラスタープログラム グローバル型(第Ⅱ期)(旧知的クラスター創成事業(第Ⅱ期))で橋本稔教授と平井利博教授が同企業と共同で進めている「高分子アクチュエータの研究開発」の成果です。

 

従来、ポリ塩化ビニル(PVC)ゲルが電場印加により屈曲変形することが知られていました。しかし、力を発生するアクチュエータとして利用するためには伸縮変形が望ましいことから、いかに伸縮させる構造にするかが課題でした。そこで、メッシュ状電極を用いてPVCゲルなどを積層し、電力を加えることによりゲルがメッシュ状電極に変形して入り組むことで伸縮運動を起こすことに成功しました。この収縮型高分子ゲルアクチュエータ(図 )の伸縮運動を利用して、小型ブレーキに応用するための構造を考案し、従来の電磁式に比べ、静音でソフトに停止させるブレーキを開発しました。

 

少子高齢が進み、高齢者介護などに使用される機器の開発が求められる中、安心して人間の近くで使用できる、軽量で、ソフトで、静音なアクチュエータの開発が望まれています。本技術はこれに寄与する技術として非常に期待が高く、医療福祉ロボットなどのブレーキやクラッチに適用することにより、医療福祉機器の安全性や操作感を向上させることが出来ます。その他、人間の近くで使用されるソレノイド、点字表示器、空気圧制御弁などにも応用が可能だと考えられる他、人工筋肉としても用途を検討していきたいと考えています。

 

100831_収縮型高分子ゲルアクチュエータ(縮小).JPG

 

参考:地域イノベーションクラスタープログラム グローバル型第2期(信州スマートデバイスクラスター)

http://www.tech.or.jp/cluster/