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New York Timesの科学欄で浅見准教授の論文が紹介されました

09年11月25日

信州大学理学部生物科学科の浅見崇比呂准教授と共同研究者が発表した二つの論文が、米国の主要新聞紙「New York Times」の11月24日付科学欄に紹介されました。

 

チャールズ・ダーウィンの「種の起源」は、150年前の11月24日に出版され、初日に完売しました。この日を記念する科学記事を、Sean B. Carroll(ウィンスコンシン大学・ハワードヒューズ医学研究所教授)が執筆し、浅見准教授らの二つの発見を取り上げました。

一つは、単一の遺伝子で内臓も左右反転したカタツムリの集団は、元の巻き方向の集団とは交尾ができないため、逆巻になるだけ(わずか1個の遺伝子)で新種に進化したこと(Nature, 2003)。二つ目は、カタツムリだけを食べるヘビ類は、下顎の右側に歯が多く、右巻カタツムリの肉を抜いて食べますが、まれな左巻はうまく食べられない、という発見(Biology Letters, 2007)です。右利きヘビ類は東南アジアで進化しました。東南アジアに左巻カタツムリが比較的多い理由は昔からの謎でした。これらの研究結果から、巻貝専食のヘビが進化した東南アジアでは、左巻カタツムリの多くが、右利きの天敵に対抗して生存できる左巻への適応進化を1遺伝子で遂げてきたと考えられます。

 

ダーウィンが知ったらさぞ喜ぶであろう二つの研究が日本のカタツムリとヘビを使って行われたことから、「ダーウィンの乗ったビーグル号がガラパゴス諸島ではなく日本列島にもしも来ていたら、ダーウィンフィンチ(自然選択理論の根拠となったガラバゴスの小鳥類)ではなく、カタツムリとヘビが進化のシンボルになったかもしれない・・・」と締めくくられています。

 

「New York Times」の記事(英文)はこちら

In Snails and Snakes, Features to Delight Darwin