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環境ISO研究プロジェクト発表会が開催されました

09年06月29日

佐藤利幸先生の発表

佐藤利幸先生の発表

6月24日(木)の15:30から16:40に本部管理棟5階第一会議室で環境ISO研究プロジェクト「身近な環境研究」発表会が開催されました。
発表者と報告会参加人数は以下のとおりになっています。
・発表者
佐藤 利幸(理学部生物科学科教授)兼研究代表者
金田 邦雄(工学系研究科)【研究代表者は美谷島 實(全学教育機構教授)】
清水 聖子(内部部局総務部総務課(秘書室))兼研究代表者
飯沼 聖美、高見澤 敏(環境施設部)【研究代表者は高山 秀昭(環境施設部)】
・参加者
教員8名(学長含む)
職員12名

松本キャンパスの環境マネジメントシステム(ISO14001)では、環境マネジメントシステムの目的・目標の一つとして,「新たな環境研究を平成19年度からスタートし、3年間で計9件支援して,環境研究の拡大充実をはかる」ことを実施しています。平成20年度はその2年目にあたり,昨年度の研究成果の研究報告会を行いました。

● 佐藤利幸先生の発表
「被植による温暖化抑制と多様性創出へのキャンパスレメジエーション」
概要:穴あき歩道ブロックへの雑草導入による地表面温度低下と地下水循環について
・自然に侵入した雑草の被植を確認
・植物により穴あきブロックの表面温度が低下することを確認
・問題点として,ブロック製作に時間と労力がかかるなど
結論:温暖化防止に雑草導入など自然力を利用することを探りましょう。植物は地表面のソーラーパネルです。植物による土壌浄化など、今後も植物による環境保全を研究していきたいと考えています。
<質問の一部>
形は六角形じゃなければ、いけないのですか?穴の大きさが大きすぎると歩行しがたくなるのではないですか?
→セットしやすいので六角形としています。穴のサイズは試した結果15ミリになりました。

● 清水聖子さんの発表
「気候の変化は文学に影響を与えたか?-日本文学に登場する柑橘の変遷から-」
概要:「日本の文学作品に登場する柑橘(かんきつ)類が、古代の「柑子(こうじ)」から近代における「レモン」に変化するのは、環境要因(気候の変化)が関係 しているのではないか?」との推測を元に論じられました。
・万葉集、古事記から「坊ちゃん」などの近代小説まで文献は幅広い
・日本文学に出る柑橘類の性質を分析
・「橘(たちばな)」は寒冷期と言われた時代の作品に多く登場する。
結論:「橘」から「柑子」や「蜜柑(みかん)」への変遷に気候変動が影響しているといえるのではないか。
<質問の一部>
柑子とは夏みかんみたいなものですか?
→レモンよりも小さく、サイズ的には大柑子が夏みかんのサイズにあたると思われます。

● 美谷島實先生の発表
「松本キャンパスにおける、アメリカニレの立ち枯れについて」
概要:松本キャンパス内のアメリカニレが原因不明で枯れ続けており、その原因について多角的に推測しています。
・病気による可能性
・木はストレスにより葉に化学物質をためられる。
・平均気温の上昇が枯れた原因
・気温の上昇で昆虫の活動が活発化した可能性
結論:葉蜂(糞で地面が赤色になる)や芯喰い虫(樹木に穴がたくさん見られる)の害が多いと思われる。昆虫や気温などによる導管の部分的な死が原因ではないか。
<質問の一部>
現在のこっているアメリカニレの切り株を腐らせる方法はありませんか?
→機械力を使った方法が効率的と思います。
虫による被害は温度との関連がありますか。
→葉蜂による被害が大きかった。


● 飯沼聖美さんと高見澤敏さんの発表
「循環型社会を灯す第4の光~LEDの可能性について~」
カタログに惑わされない検証、現物による既存照明との性能比較を行い、LED照明の可能性を探る。
・照度測定
蛍光管に比べて指向性が高く、光が広がりにくい特性
・消費エネルギー量測定
安定器を取り外さないと効果は得られない。単純交換だけでは省エネにならない。
・印象度アンケート
知名度は高いが明るさには不満
結論:日本の照明感覚である「間接照明」には向いていないが、局所的照明の魅力展開・提案が普及の鍵になる。