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「Biology Letters」に注目論文として掲載(総合工学系研究科大学院生・Amporn Wiwegweaw、理・浅見崇比呂)

09年01月22日

信州大学大学院博士課程(総合工学系研究科)のAmporn Wiwegweaw(アンポーン・ウィウェグウェウ)さん、東邦大学理学部生物学科の関啓一(せき・けいいち)研究員と信州大学理学部生物科学科の浅見崇比呂(あさみ・たかひろ)准教授の研究チームによる研究成果がイギリス王立協会速報誌「BiologyLetters」オンライン版(1月13日)に注目論文(Highlighted article)として掲載されました。

雌雄同体のカタツムリは、一回の交尾で精子を交換し、両者が産卵できます。
ところが、日本固有種のコハクオナジマイマイと外来種のオナジマイマイが交尾すると、前者は雑種を産むのに、後者は産卵しません。それは、交尾を始めてから相手に気づき、雌雄同体の片方の性だけが交尾を中断するからであることを突き止めました。<br />カタツムリの交尾器(陰茎)は、交尾のときにだけ靴下を裏返すように露出します。表面の細かい凹凸が種間で異なるので昔から分類に使われてきましたが、凹凸の形状に意味があるのかどうかはわかっていませんでした。この研究で、交尾器の彫刻模様が交尾相手の識別に役立っていることが初めて

オナジマイマイの同時雌雄二役の交尾。互いに交尾器を挿入し、精子を交換する。矢印は、交尾器の表面の凹凸模様がむき出しになっている部分。(殻の直径:約1 cm)

オナジマイマイの同時雌雄二役の交尾。互いに交尾器を挿入し、精子を交換する。矢印は、交尾器の表面の凹凸模様がむき出しになっている部分。(殻の直径:約1 cm)

コハクオナジマイマイ(写真右)が交尾器を離して交尾が中断した後でも、オナジマイマイ(写真左)は交尾を継続する。矢印は、コハクオナジマイマイの交尾器が体内に取り込まれつつある状態。(殻の直径:約1 cm)

コハクオナジマイマイ(写真右)が交尾器を離して交尾が中断した後でも、オナジマイマイ(写真左)は交尾を継続する。矢印は、コハクオナジマイマイの交尾器が体内に取り込まれつつある状態。(殻の直径:約1 cm)

交尾器の表面の凹凸模様。左:コハクオナジマイマイ、右:オナジマイマイ(スケール1mm)

交尾器の表面の凹凸模様。左:コハクオナジマイマイ、右:オナジマイマイ(スケール1mm)