ホーム > トピックス一覧 >

トピックス詳細

トピックス

2007信州フィールド科学賞授賞式・記念シンポジウムを開催

08年11月21日

鈴木山岳科学総合研究所長より賞状を受ける森章さん

鈴木山岳科学総合研究所長より賞状を受ける森章さん

2007年度「信州フィールド科学賞」授賞式及び
記念シンポジウム「北方林の生態学」を開催


 去る11月17日、2007年度の「信州フィールド科学賞」、「信州フィールド科学奨励賞」の授賞式と「信州フィールド科学賞」受賞者の研究課題に関連した記念シンポジウムが理学部で開催されました。

 今年度「信州フィールド科学賞」には、Simon Fraser University(日本学術振興会海外特別研究員)の森 章さん(研究課題:高標高域に存在する多様な森林生態系の存続機構の解明と将来予測)、「信州フィールド科学奨励賞1種(高校生)」には、福島県立勿来高等学校理研部の皆さん(研究課題:福島県いわき市郊外山域のチョウ類群集の多様性)、「信州フィールド科学奨励賞2種(卒業論文)」には、東京石灰工業株式会社の前田孝明さん(研究課題:穂高屏風岩とその周辺の地質-岩石組織と地形の関係-)が選ばれました。
 勿来高等学校理研部の皆さんは、学校の創立記念行事と重なったため残念ながら授賞式に参加することができませんでしたが、森 章さんと前田孝明さんには、鈴木啓助研究所長から表彰状及び副賞が手渡され、その後,奨励賞を受賞した勿来高校理研部の皆さんと前田孝明さんが研究内容について紹介しました(勿来高等学校理研部の研究紹介はビデオにて)。
 また、授賞式に引き続き、本年度フィールド科学賞の研究課題に関連した記念シンポジウム「北方林の生態学」が開催され、シンポジウムの冒頭では,北方林の生育環境が地球温暖化による影響を特に受けやすい(温度上昇率が高いと予測される)地域であることを踏まえて、研究意義が説明されました。
 その後、科学賞を受賞した森 章さんが受賞した研究課題についての講演を行い、引き続き本研究所山岳環境科学部門の高橋耕一先生からは「カナダ東部の分布北限のブナ-カエデ林の更新動態」、神戸大学の石井弘明先生からは「北米冷温帯針葉樹林の林冠動態」、森林総合研究所の梶本卓也先生からは「シベリアのカラマツタイガの森林発達過程と永久凍土環境」と題した講演が行われ、一般市民を含めた約60名の参加者が,講演を通して、樹木の多様な生き残り戦略に感心しつつ、フィールドでの調査研究の大変さや大切さを知る機会となりました。

(山岳科学総合研究所)

研究内容の発表をする前田孝明さん

研究内容の発表をする前田孝明さん