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『高圧型定圧吸着量測定装置』科学技術振興機構・機器開発プログラムに採択

08年09月03日

20年度の科学技術振興機構「先端計測分析技術・機器開発事業」の機器開発プログラムに採択されました。

 信州大学理学部化学科物理化学研究室は、吸着現象の測定機器メーカーである日本ベル株式会社(http://www.nippon-bel.co.jp/)と共同で、本年度の科学技術振興機構「先端計測分析技術・機器開発事業」の機器開発プログラムに申請し、採択されました。
 この事業は、将来の創造的・独創的な研究開発の基盤となる先端計測分析技術・機器の開発を推進するものです。今回の採択課題は「高圧型定圧吸着量測定装置」です。吸着現象は、1nm(ナノメートル)程度という非常に微小な孔(細孔)を持つ物質が多様な分子をその細孔内部に捉える現象であり、水素やメタンの貯蔵、有害物質の除去等をより穏やかな条件で行えることから注目を集めています。
 この研究は、電子デバイスを用いて圧力を高度にコントロールするという新しい方法によって吸着量を計測する装置の開発を行います。この装置によって、吸着プロセスを考える上で重要でありながらこれまで測定が大変に困難であった、吸着量の温度による変化(吸着等圧線)が簡単に測定できるようになり、目的に合った細孔性物質の開発に大きく寄与できるものと期待されます。
 理学部からは理学部化学科物理化学研究室の尾関寿美男教授、飯山拓准教授が研究開発に参加します。グループリーダーの仲井和之 日本ベル(株)取締役開発部長は信州大学地域共同研究センター客員教授であり、信州大学の教育にも寄与されています。

機器開発プログラム(領域特定型)
「【応用領域】知覚(視覚)機能を考慮した材料および製品の性状・品質評価計測」 
課題名『高圧型定圧吸着量測定装置』
【チームリーダー】 仲井 和之 日本ベル(株) 開発部取締役開発部部長
【サブリーダー】  飯山 拓  信州大学理学部 准教授
研究開発内容
 高圧定圧吸着量測定装置を開発します。吸着等圧線は実プロセスでは重要であるがこれまで分析装置は市販化されていません。本装置により水素貯蔵において高精度な吸着等圧線が測定可能となり、温度を変化させ吸着量がどのように変化するかが測定可能となります。また水素貯蔵材料の吸放出速度や従来のPCT曲線の測定も可能であり、貯蔵材や吸着剤の評価・分析を簡単かつ精度よく短時間で測定することが可能となります。
参加機関: 信州大学