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年頭のあいさつ-新年あいさつ交歓会から-

08年01月07日

小宮山学長

小宮山学長

 新年あけましておめでとうございます。皆さまには良いお年を迎えられたことと存じます。本年もよろしくお願いいたします。

 この年始、マスコミは当面する課題などについていくつかの特集を組んでおりましたが、その中で最も大きく取り扱われていたのは地球温暖化問題ではなかったでしょうか。本年は、「京都議定書」の実行元年となりますが、温室効果ガスの排出削減や新エネルギー開発は、もはや先送りは許されません。折しも新春早々に、原油価格高騰のニュースが飛びこんできました。19世紀の石炭文明から20世紀の石油文明を経て、21世紀の今、人類は大きな歴史的転換期に直面していることが、もはや誰の目にも明らかになってきました。

 さて、信州大学が法人化し、まもなく4年が過ぎようとしております。この間、人件費削減など想定外の事態にも遭遇しましたが、大学改革を鋭意推進しながら、教育、研究、さらに社会貢献などで顕著な成果をあげてまいりました。基盤的資金が細り、競争的資金の比重が高まっていく中で、後者は財政面でも活動評価の面でもますます重要になってきておりますが、本学の19年度におけるその採択状況はまことに目覚ましいものがあります。例えば、教育分野における教育GP関連事業、研究面では大型研究推進プロジェクトであるグローバルCOEをはじめ、科学技術振興調整費、(科研)特別推進研究、あるいは知的クラスター創成事業(第2期)など、全国的にも最上位レベルの採択件数を数えました。また周知のように、日本経済新聞による地域貢献度ランキングでは、全国大学の中で2位というきわめて高い評価を得ております。これらの他にも、充実した教育、卓越した研究成果、先端医療や予防医療の推進、地域特色を活かした産学官連携事業の展開など、マスコミでも折々に大きく報道されてまいりました。さらに強調したいこととしては、学生や教職員が一丸となって推進してきたISOエコキャンパスづくりが、工事中の一部を除き全キャンパスにおいて達成でき、「環境マインドの育成」という個性的教育プログラムへの期待が一段と高まってきております。これらの輝かしい成果は、ひとえに教職員をはじめ関係者各位の熱意あふれるご努力によるものであり、改めて敬意と謝意を表します。

 このような活動実績や成果はさまざまな場面で評価されますが、概算要求の採択にもそれが反映されます。昨年末に予算内示があった新規事項では、教育学部附属学校の「主幹教諭の配置」、山岳科学総合研究所の「上高地・槍・穂高地域における自然環境の変動と保全・適正利用に関する総合研究」、附属病院の「新外来業務支援システム」をはじめ本学にとって貴重な多くの事項が認められました。また、施設整備費補助金等実施予定事業でも、附属病院の「外来診療棟の仕上げ」、繊維学部の「総合研究棟改修2期」、その他の事業が予算化されました。これら概算要求にあたって、多大なご尽力をされた関係者各位に改めて感謝をいたします。私どもは、この勢いを持続し、さらに加速していかなくてはなりません。

 ところで本年は、第一期中期目標・中期計画の暫定的な評価の時期を迎えます。この評価への対応とともに、大切なことは第二期中期目標期間に向けて、新たな創造と挑戦のための基盤をしっかり整えることであります。幸いにもこの度、その目標の骨子となる「信州大学ビジョン2015/信州発飛翔プラン」が策定されました。この策定にあたっては、教職員の英知と創意を結集するとともに、経営協議会学外委員の方々にも貴重なアドバイスを頂戴いたしました。皆さまの多大なご協力に厚くお礼を申し上げます。

 「信州大学ビジョン2015」で強調されているように、内外の厳しい環境に屈することなく、むしろ飛躍への機会としてとらえ、歴史と立地条件を活かし信州ならではの我が国唯一の教育研究領域を開拓し、これを軸に世界のオンリーワン、ナンバーワン分野を築いていかなくてはなりません。個性豊かな学部が協働し、総合力と相乗効果を発揮させることによって、教育研究にきらりと光る特色をもたせ、地域とともに成長し、世界へ飛翔する"オンリーワンの魅力あふれる地域拠点大学"をめざして励んでいきましょう。

 信州大学は教育、研究、社会貢献のいずれの分野でも個性的かつ高度な資源を有しており、また歴史や立地条件にも恵まれています。これら特色を活かしながら、全員が一丸となり協働することによって、必ずや個性輝く大学として大きく発展できるはずであります。

 これから、このビジョンをベースに、アクションプランを策定していくことになりますが、皆さまには、建設的なアイデアなど、より積極的なご提言を期待いたしますとともに、一層のご尽力をお願いいたします。

 2008年が、充実したすばらしい年でありますよう祈念し、年頭のあいさつといたします。


2008年1月7日

本部職員

本部職員